2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480174
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木下 晋一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 俊彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40223713)
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Keywords | アゾ色素 / Bacillus sp. / azo dye / azoreductase / gene / enzyme |
Research Abstract |
本年度はアゾリダクターゼ生産菌として分離同定したBacillus sp. B29株のアゾリダクターゼ遺伝子をクローニングして高発現を行った。ショットガンクローニングにより行ったところ、宿主大腸菌の持つ同様の酵素によつてorange IIなどのアゾ色素類を含む寒天培地上ですべての形質転換株のコロニー周辺にハロを生じてしまった。そこでDNAデータベース上で公開されている同族微生物であるBacillus cereusの全ゲノムシーケンスを参考にして、数種の合成オリゴヌクレオチドを作製し、Bacillus sp. B29株のゲノムDNAを鋳型にPCR法によって増幅したDNAを取得した。得られたDNA断片の塩基配列を決定した結果、3種のアゾリダクターゼをコードすると考えられるORF(azr6,azr8,azr18)が観察され、B.cereusのアゾリダクターゼ遺伝子とされるものとそれぞれ98%以上の高い相同性を示した。これらORFを大腸菌の発現ベクターpET3aのT7プロモーターの支配下に挿入した。得られた形質転換株の中でAzr6では酵素活性は検出できなかったが、他のAzr8およびAzr18において高いアゾリダクターゼ活性が検出された。最も活性の強かったAzr8についてイオン交換とゲルろ過によって酵素を精製し酵素の性質を検討した。酵素活性の発現にはNADHが必須でり、FADと添加することで活性が上昇した。酵素反応の最適条件はpH4.0および55℃であった。基質特異性ではエチルレッドに対し最も活性が高く比活性は187unit/mg proteinであった。また酵素はスルホン酸基を持つアシッドレッド88や、ジアゾ化合物であるコンゴーレッドやトリパンブルーに対しても弱いながら活性を示した。
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