2003 Fiscal Year Annual Research Report
安全な産業廃棄物焼却キルンを活かした有価金属・有害金属類の回収技術の開発
Project/Area Number |
13480175
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
亀屋 隆志 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70262467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 剛 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60293172)
浦野 紘平 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (60018009)
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Keywords | ロータリーキルン / リサイクル / 難燃剤 / 半・輝発性有機臭素化合物 / プリント基板 / 産業廃棄物 / 焼却処理 |
Research Abstract |
本研究では、本研究では、使用済みとなった希少資源や有害金属・半金属類を含む製品をリサイクルするために、大きな熱源を有する産業廃棄物焼却キルンに着目し、従来の金属製錬業と連携してこれを積極的に活用して、物質の回収量を拡大させるための新技術システムの開発を目的としている。最終年度にあたる16年度は、製品の筐体やプリント基板に含有される難燃剤の焼却に伴う有害物の生成について検討した。具体的には、焼却温度、ガス滞留時間、基板や難燃剤の種類などの焼却処理条件の違いにより、生成する一酸化炭素や半難揮発性有機臭素化合物(SNVOBr)などの有害物の濃度の変化を測定し、難燃剤含有プリント基板を安全に焼却できる処理条件を検討した。 ロータリーキルン型の実験炉で連続式焼却処理実験を行った。リン系難燃剤含有基板は、他の廃棄物と変わらない発生CO濃度で焼却できることが示されたが、臭素系難燃剤含有基板は燃焼状態を悪化させ、CO発生濃度が上昇した。しかし、焼却温度を一般的な900℃から950℃へと高くすることにより、ガス滞留時間を2秒から倍の4秒にする場合に比べて、CO濃度の上昇が大幅に抑制されることがわかった。ポリプロピレンなど気化速度の大きい共存物を入れるとCO濃度が上昇する傾向がみられ、また、ベンゼン環を有するスチレン系樹脂を混入すると半難揮発性有機臭素化合物(SNVOBr)の発生量が大きくなる傾向があった。ガラスコンポジット基板は、紙フェノール基板やガラスエポキシ基板に比べて、発生するCO濃度やSNVOBr大きくなり、安全な焼却が難しい基材であることがわかった。また、焼却温度を高くしたり、ガス滞留時間を長くして燃焼状態を向上させても、全SNVOBrの生成量はそれほど抑制されなかったが、毒性の強いダイオキシン類似SNVOBrの生成量が抑制される傾向がみられた。
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