2003 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法による汚染土壌現場浄化プロセスの開発
Project/Area Number |
13480177
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 雄志 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90029512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬野 忠愛 静岡大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60135241)
芝 定孝 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (40026274)
山端 景子 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70273612)
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Keywords | 汚染土壌 / 電気化学 / 界面動電現象 / 重金属イオン / 電気二重層 / 固液吸着平衡 |
Research Abstract |
金属によって汚染された土壌の修復は、土壌表面から間隙液中への汚染金属イオンの脱着と汚染金属イオンを含む間隙液の輸送によって行われる。土壌表面にはシラノール基やアルミノール基の官能基が存在し、金属はそれらと錯体を形成して土壌表面に吸着し、土壌を汚染する。 (1)その基本的な現象を調べるために、シリカ粒子(シラノール基)とカオリナイト粘土鉱物(シラノール基、アルミノール基)の表面電荷を酸塩基滴定によって測定し、さらに銅イオンの吸着実験を行って電気二重層内の電位変化を考慮した吸着平衡関係を定量的に検討した。また、ゼータ電位の測定結果からすべり面位置の推定も行った。 (2)シリカ粒子を充填した細管に電場を印可して電気浸透流を発生させ、銅イオンの脱着による電気浸透流の変化を実測した。脱着の進行とともに電気浸透流が変化する結果を得た。この手法により修復液の脱着効果の検討が可能となり、当初予定していた液体クロマトグラフィーの測定よりも簡便な測定が行えることを示した。 (3)電極間隔15cmの小型実験装置を用いて、鉛によって汚染された模擬土壌(カオリナイト)の修復実験を行った。土壌槽内のpH、電位、電気浸透による水の排出量、排水中の鉛濃度の経時変化を測定し、また、実験終了後に土壌を15分割してpH1の硝酸水を加え、撹拌・ろ過後、上澄み液の鉛濃度を原子吸光により測定し、クエン酸、シュウ酸、酢酸の有機酸は塩酸、硫酸などの無機酸に比べ重金属の除去に効果があることを明らかにした。 (4)電気化学的修復法の汎用的な検討を行うために、シミュレーション解析を行った。汚染地下水の浄化については詳細な1次元解析を行うとともに、3次元有限要素法を用いた多孔質内移流分散モデルを作成し、上記の土壌槽を対象にシミュレーション解析を行って土壌内鉛分布の移動等について定性的に現象を再現できることを示した。
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Research Products
(3 results)