2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480182
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長谷川 宏司 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (70094167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小瀬村 誠治 慶応大学, 法学部, 助教授 (70231313)
山田 小須弥 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (70292521)
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Keywords | 光屈性 / 光誘導性の成長抑制物質 / Bruinsma-Hasegawa説 / Cholodny-went説 / DIMBOA / MBOA / indole-3-acetonitrile |
Research Abstract |
光屈性は植物が具備する環境応答反応の代表的な生物機能である。光屈性はオーキシンの光側から影側組織への横移動によって引き起こされると説明されてきた(Cholodny-Went説)が、オーキシンの偏差分布は全く認められないことが機器分析によって示され、更に光側組織で生成される成長抑制物質によって偏差成長が起こり、屈曲が誘導されることが明らかにされている(Bruinsma-Hasegawa説)。 本研究では1)光(青色光)照射によって光側組織で生成される成長抑制物質(光屈性分子)を様々な植物から抽出・単離し、NMR, MS, IR等のスペクトルデータからその化学構造を解明する、2)光屈性分子の関連物質を探索し、その化学構造を明らかにし、光屈性分子の生合成経路を解明する、こと等を主な目的として研究を行った。その結果、以前中性の成長抑制物質が光屈性に関与することが指摘されていたトウモロコシ幼葉鞘から、青色光によって生成される成長抑制物質を単離し、DIMBOAとMBOAであることを明らかにした。また、同時にDIMBOA glucosideも単離・同定し、これらの物質の光屈性に伴う動態を分析した結果、光側組織で先ずDIMBOA glucoside(不活性型)が短時間で減少し、同時に強い成長抑制活性を有するDIMBOAが増量し、次いで活性型のMBOAが増量することが分かった。影側組織と暗黒対照では殆ど変動しないことも分かった。従って、トウモロコシ幼葉鞘の光屈性では光側でDIMBOAが生成されることによって光側組織の成長が抑制されて屈曲することが示唆された。また、シロイヌナズナの野生株と光屈性を示さない突然変異株を用いて青色光照射によって野生株で増量し、突然変異株では変化しない成長制物質を単離し、indole-3-acetonitrileであることも明らかにし、この物質がシロイヌナズナ下胚軸の光屈性に重要な役割を演じている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hasegawa, T.: "Phototropic stimulation induces the conversion of glucosinolate to phototropism-regulating substances of radish hypocotyls"Phytochemistry. 54. 275-279 (2000)
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[Publications] Yamamura, S.: "Chemistry and biology of phototropism-regulating substances in higher plants"The Chemical Record. 1. 362-372 (2001)
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[Publications] Hasegawa, T.: "Isolation and identification of a light-induced growth inhibitor in diffusates from blue light-illuminated oat (Avena sativa L.) colepotile tips"Plant Growth Regulation. 33. 175-179 (2001)
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[Publications] Hasegawa, T.: "Isolation and identification of a growth inhibitor from blue light-illuminated cress seedlings"Plant Growth Regulation. 37. 45-47 (2002)
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[Publications] Yamada, K.: "Induction of myrosinase gene expression and myrosinase activity in radish hypocotyls by phototropic stimulation"J. Plant Physiol.. (印刷中). (2003)
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[Publications] 山村庄亮, 長谷川 宏司: "動く植物-その謎解き-"大学教育出版. 200 (2002)