2001 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞分化因子を標的にした発生工学的手法による骨破壊制御の研究
Project/Area Number |
13480205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保田 尚孝 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90323641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 カツ子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50126091)
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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Keywords | 骨破壊 / 破骨細胞 / 破骨細胞分化因子 / 破骨細胞形成抑制因子 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
我々は今年度、慢性関節リウマチの患者より得られた滑膜細胞が破滑細胞形成抑制因子(OPG/OCIF)を産生すること及びその産生が様々なサイトカインによって調節されていることを明らかにした。腫瘍壊死因子(TNF),インターロイキン(IL)-1, IL-17などの炎症性サイトカインはOPG/OCIFの産生を強力に促進したが、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)はその産生を抑制した。これらのサイトカインはすべて慢性関節リウマチの患者の滑液中に存在することが報告されており、滑膜細胞によるOPG/OCIFの産生を巧妙に調節することにより、滑膜細胞、T細胞及び骨芽細胞が産生する破骨細胞分化因子(ODF)の活性を調節するものと考えられる。また、我々は骨に大量に存在するトランスフォーミング増殖因子(TGFβ)や骨形成因子(BMP-2)が、ODFによる破骨細胞の形成や活性化に関与していることも明らかにした。このようにODFによる破骨細胞形成及び活性化、骨破壊の調節には様々な因子が関わっていることが明らかになりつつあるが、とりわけその中でもODFの強力な特異的阻害因子であるOPG/OCIFを用いたODFの活性阻害は骨破壊抑制に有効な方法であると考えられる。我々はこの観点からOPG/OCIFをT細胞特異的に発現するトランスジェニック(TG)マウスを数ライン作製し、現在発現量を確認中である。mRNAレベルではOPG/OCIFを高発現するTGマウスが数ライン得られている。タンパク質レベルでの発現確認及び骨組織などの表現型の解析も現在進行中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yano, K.: "Synovial cells from a patient with rheumatoid arthritis produce osteoclastogenesis inhibitory factor/osteoprotegerin : reciprocal regulation of the production by inflammatory cytokine and basic fibroblast growth factor"J Bone Miner. Metab. 19. 365-372 (2001)
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[Publications] Quinn, J.M.W.: "Transforming growth factor β affects osteoclast differentiation via direct and indirect actions"J.Bone Miner.Res.. 16. 1787-1794 (2001)
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[Publications] Itoh K.: "Bone morphogenetic protein 2 stimulates osteoclast differentiation and survival supported by receptor activator of nuclear factor-kappaB ligand"Endocrinology. 142. 3656-3662 (2001)
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[Publications] Saijo, S.: "Suppression of autoimmune arthritis in IL-1-deficient mice in which T cell activation is impaired due to low levels of CD40L and OX40 expression on T cells"Arth.Rheum.. 46. 533-544 (2002)