2001 Fiscal Year Annual Research Report
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13480208
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 雅人 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10177058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 能章 (株)生物分子工学研究所, 主任研究員
月原 冨武 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (00032277)
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Keywords | 結晶構造解析 / チロシンキナーゼ / 細胞内シグナル伝達 / Src / Csk / Cbp / SH2ドメイン / SH3ドメイン |
Research Abstract |
「目的」 本研究は、チロシンキナーゼを起点とする細胞内情報伝達経路を、分子レベルで詳細に解析することによって、細胞応答の機構を完全なかたちで理解することを目標とする。その最初のターゲットとして、Srcファミリーチロシンキナーゼ(SFK)の活性制御系を取り上げて、その機構に関与する分子の機能を構造生物学的手法を駆使して分子レベルで明らかにする。SFKの構造はX線結晶構造解析によって既に解明され、申請者らの見出したCskによる制御の重要性が改めて証明れている。そこで、Cskおよびその活性化を担うCbpの構造を明らかにし、さらにSFKに作用するCsk-Cbp複合体をも解析することによって、SFKの活性制御機構の全容を分子レベルで解明する。また、これらの情報をもとに、SFKシグナルの下流因子との相互作用も順次解明し、細胞応答の仕組みを紐解く。 「結果」本年度は、以下の成果を得た。 1) Cskの結晶構造解析:Cskの単独の結晶構造解析に成功した。CskはSH2、SH3、キナーゼドメインから構成されるが、その配置が既に構造の明らかにされているSFKとは全く異なることが明らかとなった。また、CskのSH2ドメインのリガンド結合部位は外部に露出していることが示された。Cskの結晶には活性型と不活性型の構造が含まれていたことから、その両者の比較によりCskの活性発現に、各ドメイン間のリンカー構造が重要であることが見いだされた。さらに、SH2ドメインとキナーゼドメインが機能的に連関していることも示された。これらのことから、CskがSH2ドメインへのリガンド結合によって活性制御を受けることが示唆された。 2) Csk. Cbp複合体の解析:Csk、Cbp、Srcを同時に発現することによってCsk-Cbp複合体を効率良く産生する発現系の構築に成功し、現在結晶化に向けて大量調整を進めている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shima, T.: "Interaction of the SH2 domain of Fyn with a cytoskeletal protein, beta-adducin"J. Biol. Chem.. 276. 42233-42240 (2001)
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[Publications] Ohtake, H.: "Transmembrane Phosphoprotein Csk-Binding Protein/ Phosphoprotein Associated With Glycosphingolipid-Enriched Microdomains as a Negative Feedback Regulator of Mast Cell Signaling Through the Fc[epsilon]RI."J. Immunol.. 168. 2087-2090 (2002)
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[Publications] Itoh, K.: "Negative regulation of immune synapse formation by anchoring lipid raft to cytoskeleton through Cbp-EBP50-ERM assembly"J. Immunol.. 168. 541-544 (2002)
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[Publications] Ogawa, A.: "Structure of the Carboxy-terminal Src Kinase, Crk."J. Biol. Chem.. (In press). (2002)