2001 Fiscal Year Annual Research Report
筋収縮過程における制御蛋白質とアクチンの構造変化のX線解析
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13480220
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
若林 克三 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00029521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 豊 産業技術総合研究所, 生命情報科学研究センター, 主任研究員
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Keywords | X線回折 / シンクロトロン放射光 / 骨格筋の収縮 / 筋収縮制御 / トロポニン / 細いアクチンフィラメント / トロポミオシン |
Research Abstract |
筋収縮の制御過程や力発生過程での細いアクチンフィラメントの構造変化をシンクロトロン放射光X線回折により調べ、制御蛋白質とアクチンフィラメントの構造を解析した。 1.筋収縮家庭でトロポニン由来の子午反射の強度の時分割測定を行った。基本周期にの1時、2次反射は2相性の変化を示し、その強度が減少する過程は張力発生に平行していた。一方、3次反射の強度変化は1相性で張力先行して増大した。 2.オーバーラップの完全な筋肉の弛緩時、等尺的収縮時、硬直時及びノンオーバーラップ筋の弛緩時と活性時のトロポニン子午反射の強度変化を解析した。トロポニン分子を二つのボックス型関数で繊維軸投影の電子密度分布のシミュレーションはトロポニンのフィラメント上での全長は30数nmで、ノンオーバーラップの活性時にはトロポニンの球状部分の密度が数%増加し全長が1nm程度減少した。フルオーバーラップの収縮時には逆に球状部分の密度が数%減少し、全長は約3nm増加した。また硬直状態では収縮時と似た構造であった。 これらの結果は制御蛋白質が収縮過程で大きな構造変化を起こし、収縮初期のCaイオン結合による過程とミオシンとアクチンの相互作用による力発生の過程の両方で起こっていることを示す。 3.収縮中の細いフィラメント由来の第1層線反射の位置の変化を正確に測定した。収縮初期過程ではアクチンフィラメントの右巻きらせんが捻れてフィラメント全体が短縮する。一方、力発生過程では逆に右巻きらせんが緩んでフィラメント全体が伸びていることが明らかとなった。 4.収縮中、細いフィラメント第1層線主要部分の強度は大きく減少し、第2層線は相補的に増大することを明確にした。この結果は細いアクチンフィラメント全体が4回回転対称性を強めるように構造変化したことを示す。オーバーラップのない筋肉の活性時では同じ方向の変化を示していたが変化量は減少していた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] J.Higo: "Collective Motions of Myosin Head Derived from Backbone Molecular Dynamics and Conformation with X-ray Scattering Data"J. Computational Chem.. 22. 1983-1994 (2001)
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[Publications] k.Wakabayashi: "Muscle Contraction Mechanisum : Use of Synchrotron X-ray Diffraction"Encyclopedia of Life Sciences (Nature Publishing Group) www.els.net. 1-11 (2001)
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[Publications] K.Wakabayashi: "Actin as the Generator Elemenys of Force in Muscle Contraction"PHOTON FACTORY Act. Rep.. #18A. 41-42 (2001)
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[Publications] Y.Takezawa: "An alteration of the helical twist of the actin filaments accompanied by a force generation as revealed by the spacing change of the actin-based first layer"J. Muscle Res. Cell Motil.. 22. 205 (2001)
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[Publications] Y.Sugimoto: "Time-resolved X-ray diffraction studies on skeletal muscle regulation : intensity changes of the troponin-related meridional reflections during activation"J. Muscle Res. Cell Motil.. 22. 206 (2001)
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[Publications] S.Fujiwara: "Neutron Fiber Diffraction of Frog Muscle with the Contrast Variation Measurements"J. Phys. Soc. Japan. 70 Suppl.A. 408-410 (2001)
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[Publications] K.Wakabayashi: "Proceedings of Photon Factory Workshop : New Prospects of Non-Crystalline Structural Science by X-ray and Neutron Diffraction/Scattering"High Energy Accelerator Research Organization (KEK). 245 (2002)