2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13480257
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
三浦 正幸 理化学研究所, 細胞修復機構研究チーム, チームリーダー(研究職) (50202338)
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Keywords | ショウジョウバエ / 神経 / 遺伝学 / 細胞死 / スクリーニング |
Research Abstract |
本研究は、個体を用いた遺伝学的な解析が可能であるショウジョウバエ、マウスといったモデル動物の利点を積極的に取り入れた研究を展開することによって、神経細胞死実行カスケードを分子レベルで明らかにすることを目的とする。アポトーシスと称される細胞死の大部分はcaspase依存的に実行されるが、caspaseの阻害によっても抑制されない細胞死も神経変性の過程で多く知られている。後者のような細胞死は、特に神経変性疾患での細胞変性に重要な働きをすると考えられるが、その遺伝学的制御は全くわかっていない。本研究では、ショウジョウバエを用いた遺伝学的手法によりcaspase依存的及び非依存的な新規細胞死経路を明らかにしていくものであり、そのスクリーニング系の確立をおこなった。細胞死の実行過程に関与する細胞死スイッチ担当遺伝子群を同定するために、申請者はショウジョウバエを用いた異所発現スクリーニング法を導入した。これはショウジョウバエ異所発現系統であるGS系統を用いて個体内で未知遺伝子を強制発現させる方法であり、強制発現の結果引き起こされる様々なショウジョウバエの表現型をもとに、機能的に遺伝子をスクリーニングすることができる優れた手法である。UAS異所発現トラップショウジョウバエ系統を、複眼特異的にGAL4転写因子タンパク質を発現するGMR-GAL4系統と交配させ、次世代の子孫の複眼の表現型を観察する。ショウジョウバエの複眼は光受容細胞などの神経細胞を多数含む代表的な中枢神経系器官である。もし複眼に細胞死実行遺伝子が強制発現されれば、複眼はそのサイズが縮小することが申請者らによって既に示されている。この事実をもとに、複眼の縮小を指標に細胞死を誘導可能なUAS異所発現トラップ系統をピックアップし、細胞死スイッチ担当遺伝子群の1次コレクション系統を作成する。現在までにこのような系統は約400系統得られている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hisahara, S., Yuan, J., Momoi, T., Okano, H., Miura, M.: "Caspase-11 mediates oligodendrocytes cell death and pathogenesis of autoimmune-mediated demyelination"J. Exp. Med.. 193. 111-122 (2001)
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[Publications] Kim, K.W., Chung, H.H., Chung, C.W.et al.: "Inactivation of farnesyltransferase and geranylgeranyltransferase I by caspase-3 : Cleavage of the common alpha subunit during apoptosis"Oncogene. 20. 358-366 (2001)
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[Publications] Shibata, M., Kanamori, S, Ohsawa, Y., Watanabe, T.et al.: "Prevention of apoptosis of mammalian cells by the CED-3-cleaved form of CED-9"Arch Histol Cytol. 64. 17-28 (2001)
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[Publications] Mochizuki, H., Hayakawa, H.et al.: "An AAV-derived Apaf-1 dominant negative inhibitor prevents MPTP toxicity as anti-apoptotic gene therapy for Parkinson's disease"Proc. Natl. Acad. Sci. USA.. 98. 10918-10923 (2001)