2001 Fiscal Year Annual Research Report
トランスレーショナル研究支援としてのヒトがん移植動物モデルの確立
Project/Area Number |
13480283
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
大西 保行 財団法人実験動物中央研究所, 腫瘍研究室, 研究員 (70201382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末水 洋志 財団法人実験動物中央研究所, 研究プロジェクトセンター, 研究員 (40332209)
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Keywords | ヒト腫瘍 / ゼノグラフト / ヌードマウス / マイクロアレイ / 抗がん剤 / 耐性 / トランスレーショナル研究 / オーダーメード医療 |
Research Abstract |
今日、がんの分子標的治療やオーダーメード医療に関する目覚ましい基礎研究を如何に臨床に還元するか、すなわち方法論としての「トランスレーショナル研究」が重要な課題となっている。動物実験システムの側から「トランスレーショナル研究」を支援するのが本研究の目的である。オーダーメード医療の基礎研究の成果(個性=多様性)を我々の有する600株のヒト腫瘍株を駆使して絞り込むこと、分子標的治療の標的分子特性を有するヒト腫瘍系によるin vivo評価試験の2点を実施することができる前臨床動物実験システムを開発する。 本年度は、前者の研究課題について研究を進めた。薬剤感受性を規定する多数の遺伝子の関与の度合いをの網羅的遺伝子発現プロファイルの解析によって検討した。各種の抗がん剤に対する感受性が明らかで、各々の薬剤の効果が臨床におけるそれをよく再現するヒト腫瘍株のパネル(85株)より、全細胞RNAを抽出し、mRNAに再抽出、cDNAを合成した。複数臓器の正常RNAミックスのcDNAをユニバーサルコントロールとしてcDNAマイクロアレイ解析(23k)を行い、23k遺伝子の相対的遺伝子発現量のプロファイルを得た。 いっぽう、9剤の抗がん剤の各々の85株のヒト腫瘍株に対する効果を。対照群に対する治療群の腫瘍増殖の比(T/C)に9よって求めた。個々の遺伝子発現量とT/Cとの関連を相関分析した結果、1、000以上の機能未知遺伝子を含む遺伝子が、これらの薬剤の効果と有意な相関を示した。また、これらの遺伝子群の中には、2種以上の薬剤感受性と相関を示すものもあり、7剤に共通して相関を示す遺伝子が17種、6剤共通に相関を示す遺伝子が15種あった。このことは、各々の薬剤の薬効機序は異なるが、細胞死にいたる共通した過程で、抗がん剤に対する共通した耐性(感受性)の細胞動態が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tomii, Y.: "Human thrombospondin 2 inhibits proliferation of microvascular endothelial cells"Int.J.Oncol. 20. 339-342 (2002)
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[Publications] Zembutsu H.: "Genome-wide cDNA micro array screening to correlate gene expression profiles with sensitivity of 85 human cancer xenografts to anticancer drugs"Cancer Res.. 62. 518-527 (2002)
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[Publications] Suemizu, H.: "Two-color allele-specific polymerase chain reaction (PCR-SSP) assay of the leptin receptor gene (Leprdb) for genotyping mouse diabetes mutation"Exp.Anim. 50. 435-439 (2001)
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[Publications] Goto, K.: "Contamination of transplantable human tumor-bearing lines by Helicobacter hepaticus and its elimination"J.Clin.Microbiology. 39. 3703-3704 (2001)
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[Publications] Naruke, M.: "Interleukin-10 expression is correlated with growth fraction in human non-small cell lung cancer xenografts"Int.J.Oncol. 18. 1213-1217 (2001)
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[Publications] Birumachi, J.: "Diesel exhaust-induced airway hyperresponsiveness in c-Ha-ras transgenic mice"Toxicology. 163. 145-152 (2001)