2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13490009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
KNELLER ROBERT 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20302797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅蔵 康一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (80302793)
森口 尚史 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (10334351)
玉井 克哉 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20163660)
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Keywords | 産学官連携 / バイオベンチャー / イノベーション / バイオメディカル産業 / 日本:米国:ヨーロッパ / 国際研究者交流 / 知的財産権 / TLO(技術移転機関) |
Research Abstract |
これまでの調査の結果、日本企業は外部組織との重要な共同研究を行ってはいるものの、欧米企業に比べて、その探索研究を自社により依存していることが判明した。このような「自前主義」を採る理由は、「供給側」と「需要側」の両方にあると考えられる。 「供給側」の明確な要因の一つは、国内のバイオ企業数の不足である。また、日本のバイオ企業は、米国あるいは英国のバイオ企業に比べてより困難な人材面あるいは財務面の問題に直面している。加えて、企業と日本の大学との間で効果的な協力を行うことへの障壁もある。 一方で「需要側」の要因もまた重要である。製薬企業は一般的に国内のバイオ企業をあまり重視しておらず、たとえこれらのバイオ企業が価値ある技術を有していても、研究開発責任者は、実質的な共同研究を認めたがらないかもしれない。また、日本の大学の研究に対する評価も一般的に低い。インタビューでは、たとえ困難であろうとも、日本企業は海外の大学やバイオ企業とのコラボレーションを追求する以外ないと考えているように思われる。日本企業は、海外の提携先と研究に関する有形・無形の知識・情報を交換するというよりも、一方的に研究成果だけを海外の提携先に求める傾向があるようである。また、ファイザーやスミスクライン・ビーチャム(現グラクソ・スミスクライン)は、若い大学研究者との長期的な関係を構築するために奨学金やフェローシップ・トレーニング・プログラムを行っているが、日本企業はそのような取組みを全く始めていないようである。 海外企業との共同研究に際して、日本企業のマネジャーや研究者は言語の問題に直面するが、これは欧州の企業が米国のバイオ企業や大学と共同研究を行う場合に比べてより深刻である。海外と共同研究を進める際に日本企業はハンデを背負っているという意見はおそらく事実であろう。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kneller, RW.: "University-industry cooperation and technology transfer in Japan compared with the US : another reason for Japan's economic malaise?"University of Pennsylvania Journal of International Economic Law. Vol.24(2). 329-449 (2003)
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[Publications] Kneller, RW.: "Autarkic drug discovery in Japanese pharmaceutical companies : insights into national differences in industrial innovation."Research Policy. Vol.32(10). 1805-1827 (2003)
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[Publications] Kneller, RW.: "技術移転と産学連携-日本の経済的沈滞のもう一つの理由"GOR. Vol.6(1). 1-9 (2004)
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[Publications] 後藤 晃, 長岡 貞男: "知的財産制度とイノベーション"東京大学出版会. 408 (2003)