2002 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の居住環境バリアフリー化と体力維持予測に関する研究
Project/Area Number |
13490027
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
土川 忠浩 姫路工業大学, 環境人間学部, 助教授 (50180005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 勇人 姫路工業大学, 環境人間学部, 助教授 (50213442)
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Keywords | 高齢者 / 居住環境 / 温熱環境 / 体力 / ADL / アフォーダンス |
Research Abstract |
1.高齢者住宅の温熱環境の基礎調査として、兵庫県H市の市街地に立地する高齢者福祉公営集合集宅(いわゆるシルバーハウジング,5階建て)23世帯を対象に、夏季(2002年8月)に室内温湿度を測定した。このデータから冷房使用世帯と非使用世帯との温湿度の状況、冷房使用パターン等について解析を行った。冷房世帯と非冷房世帯との室内温度に顕著な違いが認められた。 2.上記H市のシルバーハウジングに居住する高齢者25名に対し、生活・居住環境全般に対する意識としての不満度を、面接アンケートに調査した。昨年度調査した山間地域と比較した結果、生活環境としての人間関係において不満度が高い傾向を示した。居住環境では、夏の暑さに対する不満度が高い傾向を示した。 3.兵庫県Y町の在宅高齢女性40名(78.5±4.5歳、範囲70-89歳)を対象として、パソコン入力装置の使いやすさついて調査を行った結果、タッチスクリーン入力方式と年齢の高さ(P<0.05)、健康状態の悪さ(P<0.05)、今後の携帯電話・インターネットの必要性の低さ(P<0.01)との間でそれぞれ有意な関連が認められた。その一方で、ひらがな50音キーボード入力方式と今後の携帯電話・インターネットの必要性の高さ(P<0.05)の間で有意な関連が認められた。 4.兵庫県H市に在住する65歳以上の高齢女性58名を対象として、アフォーダンスの知覚((1)7m前方にあるバーの高さを上下させ高齢者自身が跨げる高さを判断する(2)実際にその高さが跨げるかどうかを評価する)と主観的幸福感(PGCモラールスケール)・ADL(老研式活動能力指標)・生活体力(10m歩行時間他)との関連について調査を行った結果、イメージ通りに跨げなかった高齢者ほど、現在の自分を悲観的にとらえ、社会からの疎外感を有し、かつ現在の生活に対して不安な思いを抱いていた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Uchida, H: "An Evaluation of Use of Information Technology Equipment among Japanese Elderly Women -Relation between Health Status and the Preferred Input Device for the Internet-"Asia-Pacific Journal of Public Health. Vol.13 Suppl.. 47-50 (2002)
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[Publications] 内田勇人: "高齢女性におけるアフォーダンスの知覚の実態とQOL、ADL、及び生活体力との関連"第11回関西行動医学会シンポジウム講演要旨集. 5 (2003)
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[Publications] 土川忠浩, 内田勇人: "高齢者世帯の温熱環境に関する実測調査"日本生理人類学会誌. Vol.7 No.1. 46-47 (2002)
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[Publications] 土川忠浩, 内田勇人: "高齢者の住まいにおける温熱環境に関する調査研究"日本建築学会近畿支部研究報告集(環境系). 42. 205-208 (2002)
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[Publications] 土川忠浩, 内田勇人: "山間地域における高齢者の住まいの温熱環境に関する調査研究"日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)D-2. 397-398 (2002)