2003 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の居住環境バリアフリー化と体力維持予測に関する研究
Project/Area Number |
13490027
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
土川 忠浩 姫路工業大学, 環境人間学部, 助教授 (50180005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 勇人 姫路工業大学, 環境人間学部, 助教授 (50213442)
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Keywords | 高齢者 / 居住環境 / バリアフリー / 体力 / ADL / QOL / 住宅改修 |
Research Abstract |
1.在宅高齢者の居住環境バリアフリー化(住宅改修)の効果に関する検討 在宅高齢者(要介護者を含む)とその家族(介護者)を対象にアンケート調査及び簡単な体力測定を行い、住宅の各種性能に対する不満の所在、バリアフリー化(住宅改修)の効果、QOL(モラール)・ADLと居住環境との関係、介護者に対する介護負担の軽減効果等について検討を行った。バリアフリー化によって、住宅内の段差等に対する不満は軽減されていた。しかし、一方で住宅内の温熱環境に対する不満が比較的多く、住宅に対する総合的不満につながっている傾向が示された。また、在宅高齢者のQOLと居住環境との関係について検討した結果、住宅改修による精神的負担の軽減につながる傾向が示された。居住環境および住宅改修と介護負担感との関係との関係を検討した結果、介護負担感が高い人ほど住宅に対する不満が高い傾向が示されるものの、有意な関係は認められなかった。介護時間と介護負担感とは有意な関係が認められた。 2.高齢者の体力維持および転倒防止に関する検討 山村集落1地区の自立高齢者に対する転倒予防教室を通して、体力測定(握力、開眼片足立ち、10m歩行速度)とアンケート(転倒リスクアセスメント等)調査を行った。自宅住宅内での転倒経験は少ないものの、「つまづき」への恐怖心が生活動作に対する自信を失わせている傾向が示された。 3.高齢者の体力維持とまたぎ動作と認知に関する追跡調査 昨年、姫路市に在住する在宅高齢者を対象として、7m前方のバーのまたぎ動作とそれに対する認知に関する調査を実施したが、本年度は昨年からの一年間の変化を明らかにする目的で、同一の高齢者を対象として追跡調査を行った。24名の対象者の追跡調査が完了したが、またぎ動作と認知に変化がみられる高齢者が確認された。
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[Publications] 土川忠浩, 内田勇人: "高齢者の住まいにおける温熱環境と冷暖房行為に関する調査研究"日本福祉のまちづくり学会第6回全国大会概要集. 121-122 (2003)
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[Publications] 西脇智子, 内田勇人, 土川忠浩, 森一彦: "高齢女性の跨ぎ動作におけるアフォーダンスの知覚と行動の齟齬に関する研究"日本建築学会大会講演梗概集,建築計画I. 775-776 (2003)
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[Publications] 内田勇人, 西脇智子, 土川忠浩, 藤原佳典, 香川雅春: "地域在宅高齢女性における「またぎ」動作の実態とその関連要因"第62回日本公衆衛生学会総会抄録集. 50巻10号. 667 (2003)
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[Publications] 土川忠浩, 内田勇人, 池野英利: "在宅高齢者のQOL・ADLと居住環境・介護負担感との関係に関する調査研究"日本建築学会近畿支部研究報告集. 第44号(2004年6月発表予定). (2004)