2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13490030
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
町野 朔 上智大学, 法学部, 教授 (60053691)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長井 圓 神奈川大学, 法学部, 教授 (50102215)
小西 聖子 武蔵野女子大学, 人間関係学部, 教授 (30251557)
中谷 陽二 筑波大学, 社会医学系, 教授 (30164221)
山本 輝之 帝京大学, 法学部, 助教授 (00182634)
辻 伸行 上智大学, 法学部, 教授 (60137809)
|
Keywords | 触法精神障害者 / 処遇困難者 / 責任能力 / 保安処分 / 精神鑑定 / 精神医療 / 国際研究者交流 / フランス:アメリカ:カナダ |
Research Abstract |
1(1)本研究の目的は、精神医療における患者の人権保護のあり方をふまえ、いわゆる「処遇困難者問題」、そして犯罪を行った精神障害者(触法精神障害者)に関する問題について解決に向けた適切な処方箋を示すことにある。ところが、処遇困難者問題と触法精神障害者問題は従来混同されてきた。本研究では、この二者は異なる概念であることを認識しつつ、それぞれの解決に向けてどのような法的枠組みを作り、どのような処遇をなすべきかの提言をすることを試みた。 (2)ところで平成13年の池田小事件を契機として、現行の触法精神障害者処遇への不満が広まり、今や立法化の段階にある。本研究もこの問題に対応することとし、本年度は特に触法精神障害者問題に重点を置いた。 2(1)以上の目的を実現するために、本研究では次のようなことを行った。 (2)まず、触法精神障害者問題、処遇困難者問題に関する国内外の文献の収集を行い、それを分析した。 (3)また、これらの問題に携わる人々の意見を聴取した。本年度は、鑑定に携わる精神科医、報道関係者、警察、検察(法務省)、厚生労働省などの意見を伺う機会を設けた。 (4)一方、これらの問題に対する比較法的調査も試みた。この海外調査は、諸外国の触法精神障害者処遇施設や、法制度の面を検討した。具体的には調査団をフランスに派遣したことをはじめとして、研究者の海外派遣(アメリカ・カナダ)を行った。 (5)最後に、本研究の研究分担者・研究協力者同士の研究会で意見交換を行った。この研究会は法学者、精神医学者、臨床家、法律実務家、官僚、報道関係者といったメンバーを含むものであった。
|