2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13490032
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
札野 順 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90229089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯野 弘之 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40288262)
山本 凉市 金沢工業大学, 工学部, 教授 (50288263)
堀 幸夫 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00010588)
松原 洋 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70173870)
HEINZ Luegenbiehl ローズ・ハルマン工科大学, 教授
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Keywords | 技術倫理 / 技術者倫理 / 工学教育 / Ethics across the curriculum / Profession / 価値共有 |
Research Abstract |
平成14年度は昨年度の実績を基に以下のような活動を行い成果を上げた。 1.研究代表者がデルフト工科大学で開催された国際会議に参加し、米国と欧州における技術倫理の相違点について調査した。その結果、特に、「profession」の概念が欧州においては比較的希薄であることを確認した。 2.研究分担者西村秀雄が、イリノイ工科大学で開催されたカリキュラムを通して倫理教育を行う手法に関するワークショップに参加し、M.Davisらと具体的な教育手法について検討した結果、「micro-insertion」の有効性を確認した。 3.研究代表者および年度途中より研究分担者となった安藤恭子が、科学技術倫理プログラムを構築する上での概念として、「価値共有」を考案し、高等教育における技術者倫理教育、原子力事業者に対する安全文化、学協会における倫理プログラム、企業倫理などへの適用可能性について検討した。また、技術者や学生の価値観や倫理教育の効果についてアンケート調査を行った。 4.研究代表者は、米国、欧州などの倫理綱領を比較検討し、特に、public missionおよび内部告発に関する考え方を中心に分析した。また、NAFTAにおける技術者の価値意識について考察した。 5.ディディエーが来日し、フランスにおける技術倫理の現状について比較検討した。 6.バーンが来日し、日米のナノテクノロジーにおける倫理について比較検討した。 7.ルーゲンビールは、平成14年6月からに日本に滞在し、工学専門教員用の技術倫理教育研修モジュールの開発に着手した。また、ニュージーランドにおける技術倫理について調査した。 8.安藤は、研究成果のインターネット上での公表方法の試行として、日本原子力学会倫理委員会のホームページの作成に中核的な役割を果たした。<http://wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/rinri/>
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Research Products
(21 results)
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[Publications] 札野 順: "科学技術倫理の諸相とトランス・ディシプリナリティ"科学技術社会論研究. 第1号. 204-209 (2002)
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[Publications] 札野 順: "技術の実践における倫理の諸問題と技術者倫理教育"哲学. 第54号. 38-54 (2003)
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[Publications] 札野 順: "高等教育における技術者倫理教育-目的、方法、課題-"化学工学. 67・4. 197-199 (2003)
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[Publications] 札野 順: "国際社会における技術者倫理と価値共有プログラム"第11回微粒化シンポジウム講演論文集. 19-25 (2002)
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[Publications] 札野 順: "第1回「科学技術倫理プログラムの構築」国際シンポジウムに至る経緯"KIT Progress-工学教育研究-. 8. 61-70 (2003)
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[Publications] 札野 順: "新しい技術者像と倫理-技術者が共有すべき価値とは何か-"土木学会関西支部編これからの社会資本整備と技術者像. 1-23 (2003)
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[Publications] 札野 順: "Vision, Mission, and Ethics-学会のアイデンティティと価値共有プログラム-"科学技術社会論学会第1回年次研究大会予稿集. 223-226 (2002)
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[Publications] 安藤 恭子, 札野 順: "技術者倫理教育と価値共有プログラム(第一報)-原子力関連企業における価値共有プログラムの技術者倫理教育への応用可能性"(社)日本工学教育協会平成14年度工学・工業教育研究講演会講演論文集. 231-232 (2002)
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[Publications] 安藤 恭子, 札野 順: "技術者集団の行動規範と価値共有プログラムの可能性-原子力事業者の試みを中心に"(社)日本機械学会2002年度年次大会講演論文集. Vol.1. 403-406 (2002)
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[Publications] 安藤 恭子, 札野 順: "科学技術倫理の構築に向けて-価値共有プログラムの可能性-"科学技術社会論学会第1回年次研究大会予稿集. 75-78 (2002)
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[Publications] 安藤 恭子, 札野 順他: "価値共有プログラムの可能性-原子力産業における事例からの検討-"(社)日本原子力学会2002年秋の年会予稿集. 第III分冊. 488-488 (2002)
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[Publications] 安藤 恭子, 札野 順他: "価値共有プログラムの構築(I)-価値の明確化-"(社)日本原子力学会2003年春の年会予稿集. 第I分冊. 23-23 (2003)
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[Publications] 安藤 恭子: "原子力学会倫理委員会の活動"KIT Progress-工学教育研究-. 8. 95-104 (2003)
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[Publications] 飯野 弘之: "国際シンポジウムの質疑応答から見えてきたもの"KIT Progress-工学教育研究-. 8. 71-80 (2003)
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[Publications] 松原 洋: "技術者倫理の根底としての普遍的価値について"KIT Progress-工学教育研究-. 8. 81-86 (2003)
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[Publications] 西村 秀雄: "全教育課程を通して行う倫理教育の意義と可能性-EACワークショップに参加して"KIT Progress-工学教育研究-. 8. 87-94 (2003)
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[Publications] Caroline Whitbeck: "Online Resources for Ethics Education in Engineering and Science"KIT Progress-工学教育研究-. 8. 3-14 (2003)
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[Publications] Scott Clark: "Japan-U.S. Engineering Ethics"KIT Progress-工学教育研究-. 8. 25-32 (2003)
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[Publications] Heinz C.Luegenbiehl: "Engineering Ethics from a Cross-cultural Perspective"KIT Progress-工学教育研究-. 8. 39-48 (2003)
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[Publications] Michael Davis: "Micro-insertion : A Way to Integrate Ethics into Engineering and Science Education"KIT Progress-工学教育研究-. 8. 49-60 (2003)
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[Publications] Heinz C.Luegenbiehl: "Engineering Ethics from a Cross-cultural Perspective"KIT Progress-工学教育研究-. 8. 39-48 (2003)