2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13552001
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Research Institution | FUKUOKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森 淳二朗 福岡大学, 法科大学院, 教授 (60079001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 不二一 財団法人連合総合生活開発研究所, 副所長
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Keywords | コンプライアンス・プログラム / コーポレート・ガバナンス / 従業員 / 労働組合 / 公益情報通報者保護法 / 内部告発 / 企業不祥事 / 企業理論 |
Research Abstract |
1 研究目的の到達度 本研究の目的は、企業不祥事・企業危機を早期に回避するには従業員の協力が不可欠であり、そうした従業員が協力しやすい仕組みをどのように整備していくかを調査・分析・提言するところにあった。4年間の研究期間のなかで、本研究テーマをめぐる状況は以下のように大きく変化した。第一に、ガバナンス意識の高まりである。第二に、多くの企業でコンプライアンス・プログラムが導入されるようになったことである。第三に、労働組合でもガバナンス・コンプライアンスに関する取り組みを始め、かつ積極的に実践する先進的な労働組合が登場したことである。第四に、公益情報通報者保護法が制定され、内部告発についても一定の条件整備が行われたことである。 こうした状況の変化は、本研究が目指していた目的が着実に実現されつつあることを示している。研究過程においては、調査分析あるいは理論活動だけにとどまらず、企業あるいは労働組合に対して働きかけを行ってきたが、こうした状況の変化に何らかの役割を果たせたのではないかと考える。 2 研究成果の取りまとめ これまでの研究調査・実践を通じて得られた成果については、現在以下の六つの観点からまとめつつある。すなわち、(1)企業の社会的責任推進における労働組合の役割、(2)労働組合による経営チェック、(3)労働組合による労働債権の確保、(4)内部告発と公益情報通報者保護法、(5)企業の社会的責任と労使関係・労働組合に関するEUの理論状況、(5)従業員の役割を支えうる新たな企業理論の展開、である。 労働組合・従業員が、企業のガバナンス、コンプライアンスあるいは企業の社会的責任に関わっていくべき必要性は、今後ますます高まっていくであろうが、そうした新たな実践一助となるように研究成果を取りまとめたい。
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Research Products
(1 results)