2002 Fiscal Year Annual Research Report
変分問題・物質科学の一般臨界点への道を求めて:数理解析及び数値解析プログラム作成
Project/Area Number |
13554003
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菊池 紀夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80090041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三沢 正史 熊本大学, 理学部, 助教授 (40242672)
下村 俊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00154328)
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
柏木 将宏 千葉商科大学, 講師
小俣 正朗 金沢大学, 理学部, 助教授 (20214223)
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Keywords | discrete Morse fow / Morse(variational)flow / Kashiwagi algorithm / Rothe's approximation / local estimate / De Giorgi-Nash estimate / Campanato estimate / Gehring-Giaquinta-Modica higher integrability |
Research Abstract |
Morse最急勾配流を構成し、その時間無限大の極限として一般臨界点解析を行うべく「初期条件から始めて、逐次変分汎函数を導入し、その最小化函数を求めることにより、その極限としてMorse流を構成する」に思い至り、これを「離散Morse流法」として提案した。「離散時間ごとで最小化性を活用出来る」離散Morse流の方法に新たな数理解析が見出されると思う。3年間の研究企画のもとで次のことが5つの論文に纏められた。(1)変分解析を利用できる離散Morse流法は「係数に対する滑らかさの弱い仮定」のもとで使えるため、特異点をその本質とする液晶・超伝導等物質科学間題の数理解析に加え、「滑らかでない多様体上での変分問題、非線形波動」に、また不均質媒質中のNavier-Stokes方程式にも適用される。(2)「局所積分評価・各点評価」を特徴とするこの解析は「大域的積分評価」の所謂有限要素解析よりは精密な解析であり、数値解析の基礎理論ともなるものと思う。Pisa, St.Petersburgなどでも離散問題の正則性解析は成されていないようである。(3)離散モース流の近似に依存しないDeGiorgi・Nash・Moser, Campanato評価などを得ることが出来た。これらの評価は解の構成問題に用いることが出来ると言う意味において放物型偏微分方程式に対するそれら評価よりは重要なものであり、「離散Morse流法」を実体あらしめるものである。三沢正史はp-調和変分問題のMorse流に取り組み、所謂Hildebrandtの意味での初期条件に対する仮定のもとでMorse流の構成に成功し、その正則性及び一般Morse流の部分正則性の詳細な解析を行った。これは調和写像の対応する成果と比して充分なものである。小俣正朗は各種変分問題のMorse流の構成を行うべくその数理解析と共に数値解析・実験で多くの試みをした。その中にあって離散Morse流法による数値解析には収束性において変分汎関数の最小化性が顕著な働きを示すことを見出した。この企画の大きな課題である非線形最適化のアルゴリズム・プログミング・ソフトウェアー作りにおいて柏木将宏のアルゴリズムを整備しそのブログラミングを行いソフトウェアー化した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Kikuchi: "Campanato estimates of the solutions to difference divergence-formed partial differential systems ofelliptic-parabolic type"Ann. Sc. Norm. Sup. Pisa.. (to appear).
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[Publications] N.Kikuchi: "Construction of harmonic map flows through the method of discrete Morse flows"Proceedings of Algoritimy 2002. (to appear).
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[Publications] N.Kikuchi: "Convergence of Rothe's method in Holder spaces"Applications of Mathematics. (to appear).
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[Publications] T.Nagasawa, K.Nakane, S.Omata: "Numerical Computations for motion of vortices governed by a Hyperbolic Ginzburg-Landau System"Nonlinear Analysis. 51, No.1. 67-77 (2002)
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[Publications] M.Misawa: "Local Holder regularity of gradients for evolutional p-Laplacian systems"Annali di Matematica pura ed applicata. (to appear).
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[Publications] M.Misawa: "Partial regularity results for evolutional p-Laplacian systems with natural growth"manuscripta mathematica. (to appear).