2001 Fiscal Year Annual Research Report
100万トン陽子崩壊・ニュートリノ観測用装置に使用する光センサーの開発研究
Project/Area Number |
13554006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸塚 洋二 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40011712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 健蔵 高エネルキー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (10011735)
塩澤 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (70272523)
伊藤 好孝 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (50272521)
西川 公一郎 京都大学, 大学院・理学研究所, 教授 (60198439)
鈴木 厚人 東北大学, 大学院・理学研究所, 教授 (00100818)
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Keywords | 光電子増倍管 / HPD / 陽子崩壊 / ニュートリノ |
Research Abstract |
本年度は、100万トン装置に利用可能な光センサーの試験開発として3点の研究を行うこととした。それぞれについてその成果を報告する。 ○フラットパネル型光電子増倍管(FPT)の製作可能性の検討 既存のFPTをスケールアップして10cm角のFPTの大量生産が可能かどうか研究を行った。既存の5cm角FPTの製造工程を調べ、10cmFPTの予想工程およびコストの試算を行った。その結果、10cmFPTの大量生産には幾多の困難な課題があり、100万トン装置の光センサーとしては不適であるとの結論に達した。 ○ガラス材の残留放射能の検討 光センサーとしての光電子増倍管のガラス部に低放射能ガラスを使用することで残留放射能を軽減できることがわかった。すでに低残留放射能ガラスはカナダのSNO実験に使用されて大きな成果を上げている。ただし、量産とのかねあいで、ガラス形状はできる限りシンプルな構造、できれば真球構造を持たせることが好ましいことがわかった。 ○ダイノード構造の検討 光電子増倍管のコストダウンおよびシングルホトンの性能を決めているのがダイノードである。既存のダイノードおよび将来型のダイオードの可能性を探った。ダイオードを使ったダイノードの優秀さが明らかであったので、それを当面の試験開発に採用することに決定した。すなわちHPD(Hybrid Photo Diode)である。直ちに既存の5インチ光電子増倍管ハウジングを流用してダイオードを試作し、基本的動作を確認した。また、シングルホトン特性を測定し、通常のダイノードと比べて、peak-to-valley比が圧倒的に優秀であることが確認できた。 ○結論 以上から今後の試験開発は、HPDにしぼり、その大口径化、コストダウン、所定の性能の達成、を目指して行うこととした。
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