2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13554007
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 光廣 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90183889)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 勝一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50304390)
青木 茂樹 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (80211689)
星野 香 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70022738)
|
Keywords | 原子核乾板 / ハロゲン化銀 / 高感度化 / 高解像度化 / 素粒子実験 / 原子核実験 / 放射線測定 / ニュートリノ |
Research Abstract |
原子核乾板用乳剤の試作を行い、フィルムに塗布した後その感度、位置分解能の評価を中心に行った。 今回の乳剤では、ハロゲン化銀塩の直径を0.2ミクロンと、従来の0.24ミクロンより小さ目に設定した。もし荷電粒子に対する感度が銀塩のサイズに大きく依存しなければ、半径が小さい分だけ単位長さ当たりで多数の銀塩粒子を素粒子が貫くことになり、その分だけ単位長さ当たりに記録される銀粒子量が増えると考えられたからである。 乳剤は単分散処方により製造され、その粒子サイズはよくそろっており、単位長さ当たりに素粒子が出会う銀塩粒子の数は100ミクロン当たり220個である。最小電離粒子に対して現像可能になった粒子数は100ミクロン当たり36個であると測定された。このことから現在の達成感度は現像確率にして約16%であることを確認した。この感度は0.24ミクロンのときの18%より多少低めであるが、標準乳剤換算で100ミクロンあたりに記録される銀粒子数が60個であることに相当しており、最高性能の原子核乾板乳剤であるといえる。 また粒子サイズが小さくなったことによって位置分解能がどう変化したかを10GeVの最小電離粒子を用いて評価した。結果は0.045ミクロン(45ナノメートル)であり、0.24ミクロンサイズの乳剤で達成した0.06ミクロンを上回っていることを確認した。
|
Research Products
(1 results)