2002 Fiscal Year Annual Research Report
クロムおよび白金族元素鉱床の統一的成因論および探査/評価システムの確立
Project/Area Number |
13554017
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
荒井 章司 金沢大学, 理学部, 教授 (20107684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 一郎 島根大学, 教育学部, 助教授 (30335541)
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Keywords | ポディフォーム・クロミタイト / マントル / オフィオライト / オマーン / 白金属元素 / 地殻 / 後期貫入岩体 |
Research Abstract |
ポディフォーム・クロミタイトの成因を一般的に理解するために,オマーン・オフィオライトにおいて我々が発見した最も層序的に浅所に形成されたポディフォーム・クロミタイトを詳しく検討した.このクロミタイトはいわゆる後期貫入岩体に属するダナイト中のペグマタイト的ガブロのネットワーク状の脈に伴って産する.このダナイト岩体はオフィオライト層序のガブロ最上部(等方性ガブロ)とシート状岩脈群にまたがって貫入している.通常のガブロがモホ遷移帯〜マントルに産することを考えると,上〜中部地殻に産する特異なものである.クロミタイは単斜輝石および斜長石をマトリックスとして含み,クロムスピネルは比較的細粒で自形である.この点では通常のポディフォーム・クロミタイトよりも層状クロミタイトに類似する.スピネルはフロゴパイト,パーガス閃石,斜方輝石の包有物に富む.スピネルのCr#は0.6前後,TiO_2、含有量は1wt%前後である.後期貫入岩体は周囲の岩石を取り込むことが普通であるので,ダナイト中にのみ認められるガブロ脈はダナイトを形成したクリスタル・マッシュに取り込まれて融解したマフィック岩塊に由来すると思われる.クロミウムはクリスタル・マッシュ中のメルトに由来すると思われる.すなわち,ここでも比較的分化した組成を有するガブロ・メルトとマッシュの未分化メルトとの混合が重要な役割を果たしていたことになる.この未分化メルト(クロマイト成分に飽和)と分化メルト(比較的シリカに富む)との混合こそがポディフォーム・クロミタイトの生成に共通の要素である.また,このクロミタイトのPGE分布パターンはオマーン・オフィオライトのモホ遷移帯中のものに一致しており同一の成因を示唆する.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松本一郎, 荒井章司, 山根俊夫: "クロミタイトの規模からみたマグマ/かんらん岩反応の重要性-若松クロム鉱山の例-"資源地質. 52. 135-146 (2002)
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[Publications] K.Hattori, S.Arai, B.Clarke: "Selenium, tellurium, arsenic and antimony contents in primary mantle sulphides"Canad, Mineral. 40. 637-650 (2002)
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[Publications] A.H.Ahmed, S.Arai: "Unexpectedly high-PGE chromitite from the deeper mantle section of the northern Oman ophiolite"Contrib.Mineral.Pertrol.. 143. 263-278 (2002)
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[Publications] Abe, N., Takami, M., Arai, S.: "Petrological feature of spinel lherzolite xenolith from Oki-Dogo Island"The Island Aic. 12. 219-232 (2003)
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[Publications] Morishita, T., Arai, S., Green, D.M.: "Evolution of low-Al orthepyroxtnite in the Horman Peridotite, Japan"Jour.Petrol.. (印刷中). (2003)
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[Publications] 荒井章司: "オフィオライトの鉱床:鉱床学と岩石学(21世紀の資源・環境の地球科学)"資源地質学会(印刷中). (2003)