2002 Fiscal Year Annual Research Report
電気浸透リニアステッピングアクチュエータを用いたバイオケミカル集積チップの開発
Project/Area Number |
13555018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高村 禅 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20290877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 純 アクシオマティック株式会社, 代表取締役(研究者)
馬場 嘉信 徳島大学, 薬学部, 教授 (30183916)
石原 一彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90193341)
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Keywords | μ-TAS / バイオチップ / Lab on a chip / アクチュエーター / 電気浸透流ポンプ / 光硬化ゲル / 化学の集積化 / 塩橋 |
Research Abstract |
近年、半導体微細加工を利用して流路やセンサーをひとつのチップに作りこみ、化学分析や合成を目指すμ-TASやLab-on-a-chipと呼ばれる分野が盛んである。小型化や高集積化の鍵である、小型・高性能で組み合わせても互いに干渉しない流体駆動装置の開発と、それを利用したシステム構築の方法論やアーキテクチャの実例を研究する目的のために、本年度は以下の項目について研究を行った。得られた成果を列挙する。 1 電界無リーク形電気浸透流ポンプの開発 チャネル幅の大きいポンプとチャネル幅の小さいポンプを逆向きに直列接続して同じ電圧を印加すると、ポンプ圧が発生するが、ポンプ両端の電位が等しいポンプを作成できる。このポンプは従来用いられなかった、閉ループの中に挿入可能なほか、複雑な電位計算をせずに集積化化学デバイスの任意の場所に挿入可能なため、設計の簡略化と集積化の向上に大いに貢献すると考えられる。 2 ダメージフリーセルソータの開発 電界無リーク形電気浸透流ポンプの応用として、セルソータを作成した。このソータは従来のチップ上のセルソータと異なり、細胞に直接電界をかけずに高速ソート可能なため細胞に対する刺激が少ない。また、ソータの出入り口の流体の速度と電位がソーティング動作によって変化しないため、ソータ同士を互いに接続するマルチソーテイングや、前段、後段のほかの流体デバイスに容易に接続できるという他のソータに無い特徴を備えている。 3.DNAトラップ くびれたチャンネルに静水圧と電界を互いに逆向きに印加すると、くびれた部分にDNAのような電荷をもつ高分子が選択的にトラップされる現象が見つかった。これは、大問題であったDNAの前処理に画期的な進展をもたらす可能性があり、集積化化学デバイスの1要素として重要であるほか、電気浸透流ポンプの応用としても非常に有力である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Takamura, H.Onoda, H.Inokuchi, S.Adachi, A.Oki, Y.Horiike: "Low-voltage electroosmosis pump for stand-alone microfluidcs devices"Electrophoresis. 24. 185-192 (2003)
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[Publications] A.Oki, Y.Takamura, Y.Ito, Y.Horiike: "pH change of a buffer in a microcapillary chip and its suppression"Electrophoresis. 23. 2860-2864 (2002)
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[Publications] M.Ueda, T.Hayama, Y.Takamura, Y.Horiike, Y.Baba: "Investigation of the possibility of geometrical electrophoresis"Electrophoresis. 23. 2635-2641 (2002)
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[Publications] H.Onoda, Y.Takamura, Y.Horiike: "Electric damage free separation chip of lymphocyte sub-unit employing high pressure electroosmosis pump"Proc. of μTAS 2002, Nara, Japan. 955-957 (2002)
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[Publications] Y.Takamura, T.Hayama, M.Ueda, Y.Baba, Y.Horiike: "DNA trap-and-release element emploing electric and hydro drag force fields for on-chip pre-treatment"Proc. of μTAS 2002, Nara, Japan. 317-319 (2002)
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[Publications] Y.Takamura, T.Hayama, M.Ueda, Y.Baba, Y.Horiike: "DNA size separation employing micro-fabricated monolithic nano-structure"Proc. of μTAS 2002, Nara, Japan. 212-214 (2002)