2003 Fiscal Year Annual Research Report
ショットレス・ピーニング装置の試作と環境保全型加工法への展開
Project/Area Number |
13555022
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
祖山 均 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90211995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 祐次 新東工業(株), 新東ブラステックカンパニーピーニングセンター, 開発担当員(研究職)
山中 将 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20292229)
渡辺 豊 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10260415)
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Keywords | ピーニング / キャビテーション / 疲労強度 / 回折X線 / 半価幅 / ステンレス鋼 / 浸炭材料 / 圧縮残留応力 |
Research Abstract |
本研究は,一般には流体機械に致命的損傷を与えるキャビテーション気泡の崩壊衝撃力を,逆転発想的研究により,キャビテーション噴流により制御してピーニングに有効利用するショットを使用しない(ショットレス)ピーニング,すなわちショットレス・ピーニングによる機械やプラントの構成部品の疲労強度向上や耐食性向上の実用化を目指して,ショットレス・ピーニング装置の試作,および最適加工条件の確立を目的とする。最終年度である本年度は,以下の研究項目を実施し,これまでの研究を発展させ,ショットレス・ピーニングの環境保全型加工法への展開を図った。 1.表面改質層の非破壊評価 試作したショットレス・ピーニング装置を用いて,加工した表面改質層の非破壊評価法を確立するために,ピーニングの加工時間あるいは加工速度を変えて,X線応力測定装置により加工面の残留応力の計測,および残留オーステナイトの計測を行い,残留応力および残留オーステナイトの経時変化を明らかにした。ステンレス鋼や浸炭したクロムモリブデン鋼,合金工具鋼などの残留応力計測するなかで,従来技術であるショット・ピーニングでは回折X線の半価幅は増大するが,本ピーニングでは未処理材よりも半価幅が減少する本ピーニング特有の現象を発見した。 2.実用部品のピーニング効果の実証 本ショットレス・ピーニングの実用化を念頭にして,歯車などの機械部品へのピーニング効果を実証するために,試作したショットレス・ピーニング装置により歯車にピーニングを行い,残留応力を計測し,本ピーニングにより歯車への圧縮残留応力の導入を実証した。さらに歯車のまたぎ疲労試験により,従来技術であるショット・ピーニングによる疲労強度との相違を明らかにして,本ピーニングの有効性を明らかにした。また本ピーニングによりピーン・フォーミングが可能であることを実証した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 祖山 均: "キャビテーション・ショットレス・ピーニング装置の開発"油空圧技術. 42・8. 35-39 (2003)
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[Publications] H.Soyama, K.Saito: "Peen Forming by Using a Cavitating Jet in Air"Proc.7^<th> Pacific Rim International Conference on Water Jet Technology. 429-436 (2003)
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[Publications] H.Soyama, D.Macodiyo: "Improvement of Fatigue Strength on Stainless Steel by Cavitating Jet in Air"Proc.5^<th> International Symposium on Cavitation. (CD-ROM). 1-4 (2003)
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[Publications] 祖山 均, D.O.Macodiyo: "キャビテーション・ショットレス・ピーニングのX線強度分布の半価幅における特異性"ショットピーニング技術. 15・3. 1-8 (2003)
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[Publications] 祖山 均, D.O.Macodiyo, 坂 真澄: "疲労強度向上におけるキャビテーション・ショットレス・ピーニングとショット・ピーニングの比較"日本材料学会第52期学術講演会講演論文集. 332-333 (2003)
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[Publications] H.Soyama: "Introduction of Compressive Residual Stress Using a Cavitating Jet in Air"Journal of Engineering Materials and Technology, Trans.ASME. 126・1. 123-128 (2004)