2003 Fiscal Year Annual Research Report
空間的電磁場計測を利用した受動型および能動型電気ポテンシャルCT法による欠陥同定
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13555027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井岡 誠司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50283726)
阪上 隆英 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50192589)
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Keywords | 逆問題 / 電気ポテンシャルCT法 / 非破壊検査 / 複合材料 / き裂同定 / 界面剥離 / スマートマテリアル / 破壊力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,逆問題解析に基礎をおく二次元・三次元き裂の直流電気ポテンシャル測定法として,申請者らが開発した電気ポテンシャルCT法を拡張して,空間的電磁場計測に基づく非接触の能動型および受動型電気ポテンシャルCT法を開発することにある. 平成15年度に得られた主な研究成果は,以下の通りである. 1.二次元貫通斜めき裂を有する試験片にピエゾフィルムを貼付し、試験片に力学的負荷をかけた場合について,ピエゾ材料表面上に現れる電気ポテンシャル分布の応答より,き裂の位置と大きさを推定する実験を行った.斜めき裂のパラメータの位置,傾きおよび寸法を精度よく推定することができることが明らかとなった. 2.二次元複数き裂を有する試験片に貼付されたピエゾフィルム上の電気ポテンシャル分布の応答より,き裂の位置と大きさ、ならびにき裂の個数を推定する数値シミュレーションを行った.複数のき裂が相互に接近し電気ポテンシャルに表れる極値の個数が単数き裂のそれと同じである場合においても,残差とともに情報量基準AICを用いることにより,き裂の個数と,き裂の位置,寸法を推定することができることがわかった. 3.二次元的な界面剥離を有する積層複合材料の剥離を同定する実験を行った.積層複合材料の表面にピエゾフィルムを貼り付け三点曲げを負荷した場合について,ピェゾフィルム上に現れる電気ポテンシャル分布より,層間界面剥離を同定した.ポテンシャルに表れる特徴を明確にするため,欠陥がない場合のポテンシャルとの差を取り,さらにその分布を最大値で基準化することにより,剥離の位置,寸法を推定することが可能であることがわかった.剥離の深さが浅い層間にある場合には,深さを推定することができたが,深い層間にある場合には深さを詳細に推定することはできなかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 久保司郎: "能動型および受動型電気ポテンシャルCT法によるき裂同定"日本AEM学会誌. 11-2. 73-81 (2003)
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[Publications] Daiki SHIOZAWA: "An Experimental study on Applicability of Passive Electric Potential CT Method to Crack Identification"Proc.of Int.Conf.on Advanced Technology in Experimental mechanics 2003. Paper OS09W0 285. 1-6 (2003)
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[Publications] Daiki SHIOZAWA: "Identification of Delamination Defect in Laminated Composites by Passive Electric Potential CT Method"Inverse Problems in Engineering Mechanics IV, Elsevier. 195-203 (2003)
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[Publications] 塩沢大輝: "受動型電気ポテンシャルCT法による斜めき裂の同定"日本材料学会第11回破壊力学シンポジウム講演論文集. 75-80 (2003)
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[Publications] 高木正彰: "受動型電気ポテンシャルCT法による二次元貫通斜めき裂の同定に関する実験的検討"日本機械学会M&M2003材料力学部門講演会講演論文集. No.03-11. 1041-1042 (2003)
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[Publications] 塩沢大輝: "受動型電気ポテンシャルCT法による複数き裂の同定"第53回理論応用力学講演会講演論文集. 299-300 (2004)