2001 Fiscal Year Annual Research Report
単電子デバイス用ナノスケールシリコン量子細線の機械的特性評価技術の開発
Project/Area Number |
13555030
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
磯野 吉正 立命館大学, 理工学部, 助教授 (20257819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 聡 立命館大学, 理工学部, 助教授 (50288627)
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Keywords | シリコン量子細線 / マイクロマシーニング / 引張り試験 / 静電アクチュエータ / AFM |
Research Abstract |
初年度に当たる今年度は,主としてシリコン量子細線のオンチップ引張り試験デバイスの設計およびフォトリソグラフィ用マスクの設計・製作を行った.とくに設計に際しては,マイクロマシーニングプロセスを十分に考慮しながら,有限要素解析ソフトを用いて静電アクチュエータの諸元・形状寸法とナノスケール試験片の形状寸法を決定した. 具体的には,まず,オンチップシリコン量子細線引張り試験デバイスを作製するに当たり,3層構造シリコンウエハを準備するためのSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)基板とSOI(Silicon On Insulator)基板とのフュージョン接合法を確立した.また同時に,量子細線作製のためのAFM陽極酸化加工法,および高アスペクト比構造を有する静電アクチュエータ開発のためのDeep-RIEドライエッチング技術を確立した.次に,デバイス設計において,量子細線部,静電アクチュエータ部,および支持用バネ部を理論解析するとともに,マイクロマシン専用有限要素解析ソフトMEMCADを用いた静電力,応力,変位等を高精度に求めることにより,デバイスの形状寸法の決定を行った.有限要素解析の結果,櫛歯型アクチュエータで得られる変位および分解能は,シリコン量子細線の引張り試験の必要条件を十分満たすことが解った.さらに,シリコン量子細線の破断時に生じる静電アクチュエータ部と支持用バネ部の最大応力は十分小さく,本研究で設計したオンチップシリコン量子細線引張り試験デバイスは強度的に何ら問題ないことが明らかとなった. 今後は,マイクロマシーニングによりオンチップ引張り試験デバイスを作製するとともに,同試験をAFMないで実施し,量子細線の力学特性および電気特性のスケール効果について検討する予定である.
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