2002 Fiscal Year Annual Research Report
CNx膜の窒素中超低摩擦現象(μ<0.001)の解明と超低摩擦スライダーの設計
Project/Area Number |
13555041
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
梅原 徳次 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70203586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 剛 オイレス工業(株), 中央研究所, 研究員
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Keywords | イオンビームミキシング法 / 窒化炭素膜 / 摩擦 / 超低摩擦 / 窒素 / 表面エネルギー / 接触角 |
Research Abstract |
窒化炭素は,β-C_3N_4と結晶化すると,理論的にはダイヤモンドよりも硬いと言われ,将来の耐摩耗膜として期待されている.一方,研究代表者は,イオンビームミキシング法で窒化炭素膜を成膜し,窒化ケイ素ピンとの摩擦特性を測定したところ,低荷重・低すべり速度において,窒素雰囲気中であれば0.009という無潤滑下では考えられないような超低摩擦が得られることを発見し,1998年コーティングの国際会議で発表した. その中で研究代表者は,既に詳細な表面分析により,CNx膜の極表層部のグラファイト化が超低摩擦機構において重要であることを明らかにした.このような超低摩擦のグラファイト層はすべり摩擦のなじみ過程で生じているが,何故,窒素中でのみ生じるかは不明である.この超低摩擦のグラファイト層の生成機構を明らかにする事が,CNx膜の超低摩擦現象を実用することにつながる. そこで,本研究では,環境制御型SEM内摩擦装置(ESEM内摩擦装置)を製作し,ピンオンディスク型摩擦試験機におけるCNx膜のSi_3N_4球に対する摩擦のなじみ過程における表面形態の変化をSEM像から,また,定期的に摩擦面に水蒸気を結露させることによるマイクロ液滴の接触角の変化から表面エネルギーの変化を明らかにする事で,種々の環境中でのCNx膜の摩擦に伴う接触形態の変化と表面エネルギーの変化を明らかにした.その結果,摩擦時の荷重が増加するほど接触角が増加する事,接触角は摩擦繰り返し数と共に増大するが,ある繰り返し数以上では接触角は一定の値になる事が明らかにされた. また,実機スライダー評価のために平面同志の接触となる円筒端面型摩擦試験機において,CNx膜同志,CNx膜とステンレス鋼及びSi基板とステンレス鋼の窒素中摩擦実験が行われ,CNx膜同志の場合のみ,0.01以下の超低摩擦が得られる事が明らかになった.
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