2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13555047
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深野 徹 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60037968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮原 雅晴 九州松下電器株式会社, 大分事業部, 主任技師
渡部 正夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30274484)
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Keywords | 超小型ファン / 低騒音 / ノート型パソコン / 空力性能 / 排気ファン / MPU冷却 |
Research Abstract |
現在ノート型パソコンの小型化・高性能化は著しく、それに伴ってMPU(超小型中央処理装置)は益々集積度が上がり、近未来においてはMPUからの発熱量が現在の30Wの2〜3倍に達すると考えられ、この業界の発展の速度からこのことを視野においた展開が必要である。最近の検討ではMPUから発生する熱は一旦ヒートパイプで拡散させ得ると見られるが、パソコン函体内部に蓄積する熱の処理は、結局ファンで外部へ放出する方式が最も安価であろうという結論に至っている。ディスプレイが15〜17インチサイズの机上用ノート型パソコンにはスペースにいくぶん余裕があることから、この方式をとることができるが、その最大の問題は低騒音化である。本研究では、そのような要求を満たすターボ型ファンの開発を目的とした。 予備実験により、現在市販されているシステムでは発生騒音が超低レベルであること、ならびにファンの圧力上昇および軸トルクなど空力の特性値がきわめて小さいことなど、騒音と空力の両特性のいずれの測定にも問題が生じること、測定の規定があいまいであること、などの問題が明らかになった。この対策を講じる中でメーカおよび本研究者らが中心となって、本研究で対象とする程度のファンの騒音・空力の両特性の測定に関する規定作成委員会が設立されている。 一方本研究で用いた供試ファンでの空力性能については軸流タイプ、遠心タイプ、横流ファンタイプは超小型化した場合でもそれぞれのファン特有の特性を示すこと、特に横流ファンは流量面において優れた性能を示し、本研究の目的に合致したファンであることが明らかになった。また、騒音の点では各ファンの発生騒音はいずれも小さく、測定機器の精度などに問題があることが判明した。 このような問題の顕在化により本研究の最終目的は、達成されていないが、研究を継続して早急な目的達成をはかる予定である。
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