2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13555056
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高松 洋 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (20179550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 孝仁 岡山大学, 医学部, 助手 (00304353)
張 興 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (40236823)
藤井 丕夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (90038589)
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Keywords | 熱伝導率 / 熱拡散率 / 測定法 / 非浸襲測定 / 生体 / 肝臓 / ラット / 炭酸ガスレーザ |
Research Abstract |
本研究の目的は,レーザビームを物体に照射し赤外線カメラを用いて測定したその面の温度上昇から物体の熱伝導率および熱拡散率を同時に測定する方法を用いて,ラットの肝臓の熱物性値を求めることにある.これまでに得られた成果は以下のとおりである. 1.炭酸ガスレーザを用いた加熱・測定装置を作製した. 2.物体内でのレーザの吸収を考慮した解析および熱物性値算出法を確立した. 3.上記の装置および方法によるアクリルの熱物性測定を行った結果,測定値は文献値とよく一致した.したがって,本測定法の妥当性が確認できた. 4.ヒトの上腕皮膚の熱物性測定を行い,生体に対する測定が可能であることを明らかにした. 5.ラットの肝臓を試料とした予備実験を行い以下の結果および問題点を明らかにした. (1)in vivo測定の場合の実験手順を確認するとともに,ラットの呼吸による測定部位の変動を抑える方法を考案した. (2)本測定法は平面の局所加熱を前提にしているのに対し,ラットの肝臓の大きさでは測定部位が平坦でない影響が測定結果に現れる.したがって,照射直径を現行のφ5mmより小さくする必要がある. (3)ピンホールを用いて照射ビーム径を小さくする方法を試みたが,レーザ光の回折によるビームの拡がりが生じ,問題の解決には至らなかった.したがって,レーザの集光方式の改良が必要と考えられる. (4)レーザ吸収率の不確かさによる測定誤差の検討のためには,肝臓の密度および比熱の測定も併せて行うことが重要である.
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