2001 Fiscal Year Annual Research Report
圧電検出・駆動型ダイヤモンドマルチプローブを搭載した次世代ナノ加工・計測システム
Project/Area Number |
13555068
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
柴田 隆行 茨城大学, 工学部, 助教授 (10235575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇山 茂 セイコーインスツルメンツ(株), 科学機器事業部・技術一部, 係長(研究職)
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Keywords | 次世代ナノ加工・計測システム / ナノリソグラフィー / 原子間力顕微鏡 / AFMプローブ / ダイヤモンド薄膜 / PZT薄膜 / アクチュエータ / センサ |
Research Abstract |
本研究では、圧電検出・駆動型ダイヤモンドプローブを搭載した"次世代ナノ加工・計測システム"の開発を目的とした。得られた成果をまとめると以下のとおりである。 1.ダイヤモンドAFMプローブの開発 (1)ダイヤモンド薄膜のマイクロマシニング技術を確立し、ダイヤモンドAFMプローブを開発した。具体的には、(1)選択成長法によるカンチレバー形状のパターニング技術、(2)異方性エッチングによって形成したSiモールドを利用したピラミッド形状のチップ形成技術、(3)アルミニウム薄膜を中間層に用いたダイヤモンド薄膜とパイレックスガラスの陽極接合技術を組合せることでダイヤモンドAFMプローブ作製のためのバッチプロセスを確立した。 (2)有限要素法によって最適なプローブ形状(V字型カンチレバー)を設計し、ばね定数1N/m、6N/mの2種類のダイヤモンドプローブを試作した。 (3)作製したダイヤモンドプローブによってAFM計測が可能であることを明らかにした。また、従来のSi_3N_4製プローブに対して耐摩耗性が飛躍的に向上することを確認した。 2.圧電検出・駆動型ダイヤモンドAFMプローブの開発 (1)ダイヤモンド薄膜上にPZT圧電薄膜を形成するための成膜条件(マグネトロンスパッタリング法)およびアニール条件を明らかにした。アニール温度700℃、昇温速度10℃/s、保持時間10min、N_2雰囲気中でアニールを行うことによって、約65pC/Nと高い圧電定数をもつPZT薄膜の形成を可能とした。 (2)SF_6ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)によってPZT薄膜のパターニング技術を確立した。 (3)PZT圧電薄膜を搭載した圧電検出・駆動型ダイヤモンドAFMプローブの作製プロセスを確立した。試作したプローブの性能を評価した結果、AFM観察時の計測分解能0.4nm、加工時の発生力15μNが得られることを確認した。
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