2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13555069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
毛利 尚武 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90126186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 昭弘 三菱電機株式会社, 名古屋製作所・放電システム部, 主事(研究職)
福澤 康 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10126477)
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60176378)
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Keywords | 単発放電 / 放電加工 / プローブ / 瞬時成型 / 機上計測 / パルスレーザ / 複合加工 / 微細軸 |
Research Abstract |
本研究は、細線電極による放電表面改質、微細軸の瞬時成形、成形した電極での微細加工などを行い、さらに瞬時成形した微細軸の先端をプローブとして形状測定する複合加工機を開発するものである。 平成14年度は平成13年度の要素技術に関する研究成果を踏まえて次の項目を実施した。 1)放電マイクロマシニングセンター機構部の製作 平成13年度に製作した微粗動加工テーブルとピエゾスキャナーとを組み合わせて放電マイクロマシニングセンターの機構部とし、総合的な駆動性能を調べた。細分割パルスを用いたステッピングモータ駆動によって、分解能20mのテーブル駆動が可能になった。またピエゾスキャナーの駆動により数nm以下の高速駆動が実現し、機構部の骨格が完成した。連続運転における電極繰り出し方式についてはさらに検討を要する。 2)通常放電加工および微細放電加工の各モードの加工電源を改良し、これにより任意のパルス幅の放電を希望する回数発生させることが可能になった。 3)SPM式機上モニタリングシステムの製作 瞬時成形した微細軸の先端を測定プローブとして使用したSPM測定システムの試作を行った。検知方式として、プローブ加工物間の接触電圧と測定回路に流れる電流とを検知し、それぞれが一定になるようにプローブを変位させ、その変位量で形状を把握する。振動や表面酸化膜の影響のため、トンネル電流の領域を利用することは困難であると判断した。しかも試料に対する押し付け力がある範囲以上にならないと安定な接触電流が得られず、したがってAFM方式を採用する必要があることが判明した。 4)放電波形と電極先端形状の関係調査 平成13年度に作成した波形制御付きの放電電源を使用して微細軸成形のための最適放電条件を調査した。特に、対向する電極の形状や軸方向の気流の影響を検討した。さらにアルゴン雰囲気中で単発放電実験を実施し、酸化膜の影響の少ない滑らかな先端形状が実現できた。 5)連続成形可能な電極ホルダーの製作とスイッチング回路の製作 平成13年度に作成した単発放電電源を改良し、連続的に配置した多数の電極に順次放電電圧が印加される制御電源を製作して、プローブの連続瞬時成形を実施した。これにより、多数の成形プローブから希望する形状を選択することが可能になった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 浜松啓明, 武沢英樹, 毛利尚武: "瞬時成形工具による放電マイクロマシニングセンタの開発(第2報:瞬時成形工具による放電マイクロ加工:装置構成)"2002年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 504-504 (2002)
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[Publications] 武沢英樹, 浜松啓明, 小久保博高, 毛利尚武, 堀尾健一郎: "単発放電による瞬時成形プローブを用いた形状計測"日本機械学会第4回生産加工・工作機械部門講演会講演論文集. 129-130 (2002)
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[Publications] 武沢英樹, 毛利尚武, 伊藤義郎, 田辺里枝, 堀尾健一郎: "単発放電による微細電極の瞬時成形(第2報)-微細化現象の動的挙動の観察-"精密工学会誌. (in press). (2002)