2003 Fiscal Year Annual Research Report
WDM技術を応用した超高速3次元マイクロイメージングの研究
Project/Area Number |
13555114
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
成瀬 誠 独立行政法人通信総合研究所, 情報通信部門超高速フォトニックネットワークグループ, 研究員 (20323529)
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Keywords | 光計測 / コンピュテーショナルセンサ / 並列処理 |
Research Abstract |
本研究は、3次元イメージングの基本原理を、光線の波動的振舞いと並列処理の効果的融合、具体的には光学設計技術と2次元アレイ状の並列処理技術の融合によって、超高速の3次元マイクロイメージング機能の実現を目指すものである。前年度までに、光電子融合素子の超並列性に適合した最適な共焦点光学系、すなわち、超並列の光線に対し歪みなく結像可能な光学系についての最適設計及び実験的検証を行った。そこで本年度は、もう一つの主要な論点である、処理系について検討した。具体的にはアレイ状のフォトディテクタと並列処理機構が一体化されたコンピュテーショナルセンサについて、システムへの応用可能性やアルゴリズムを検討するともに、実際に実機を導入し、実験系での適合可能性を検証した。導入したコンピュテーショナルセンサは、128x128のフォトディテクタアレイを有し、128並列のADコンバータを介し、LSI化された並列処理系に接続されている。これにより、毎秒1000フレームの画像処理を実行できる。本処理系を用いる計測システムの基本例として、光パルスの伝搬遅延時間を空間域の並列性を用いて評価する機構を検討した。具体的には、非線形光学素子を用いてパルス幅100fsの光パルスのタイミングが、空間域での位置として観測される時空間変換機構を導入し、空間域に展開された光パルスを前記のコンピュテーショナルセンサを用いて観測し、並列処理機構を用いてその空間位置をチップ上で求めた。従来システムでは、CCDカメラの制約でスループットは1秒間に30フレームと極めて低速であり、約30倍のシステム高速化が可能となった。光パルスの伝搬時間差は光の伝搬速度を考慮して3次元構造物の形状と対応づけられる。上記により、光線の物理的振舞いに加え、並列性を前提とした光学系や処理系を適正に考慮することで、イメージングシステムを含む様々な応用システムへの新たな基礎技術を構成することができた。
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