Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 隆司 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50283643)
永田 和寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (40301238)
小野 紘一 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (00283622)
船越 亘 (株)ニチゾウテック, 技術コンサルティング本部, 技術営業担当部長
橋本 孝晴 (株)東京測器研究所, FBC, 研究主任
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Research Abstract |
概に実用化された光ファイバーセンサーによるひずみ検出装置(同時多点計測を実施するためにFGB形式のひずみ計測方法を採用した機種)を導入し,その基本性能および現場等での実環境下での計測結果の信頼性について検討した.供給電源として,安定した電圧が不可欠で,現場等では特に安定化装置が不可欠である.また,検出装置自身においても温度の影響を受けるので,環境整備が重要であることがわかった.また,FBG形式のセンサーの製造法に関して調査をおこなったが,光ファイバーに紫外線によってマーキングをする方法が,信頼が高い.しかし,現時点では特許で高価な製品となっているものの,数年先にはその効力が喪失し,普及の可能性があることがわかった. 一方,ヘルスモニタリングシステムとして活用する際に,多くのセンサーを同時にモニタリングする必要性があるため,多点同時計測には,現行の光の波長帯分けといった現時点での技術のみでなく,個々のセンサーを特定する他の識別方式を加えること技術の今後の展開が不可欠であるとの結論に至った. 一方,実構造物の健全性診断の現状調査では,構造物の供用期間を目標にした動態計測は行われておらず,局部的な損傷等の問題が発生した場合,設計時での技術的課題項目に関連した場合に,実際行われていることが明らかであった.特に,問題点としては,既存の電気式歪計測法として歪ゲージが多用されているが,それを構造物に接着する際のその接着剤の性能が1-2年程度しか保証されておらず,光ファイバーに置き換えたとしてもその点をどのように改善するかは課題として残る.また,光ファイバー自身が,ガラス材であるので,持続応力下における経時挙動を明らかにする必要がある.例えば,光ファイバーケーブルの曲げ角度等は,計測結果も歪める要因である(直径30mm程度までの曲げに対しては計測に影響を及ぼさなかった.ねじりに対しても特に問題はなかった).切れやすいため,構造物等での配線に際しては,細心の注意が必要であることがわかった. なお,このような光ファイバーによるひずみ計測にかんして基礎的な性能を把握した結果に基づき,次年度では,その高機能化の展望および試作,実際への構造物モニタリングヘの適用について検討する.
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