Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 隆司 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50283643)
永田 和寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (40301238)
小野 紘一 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (00283622)
船越 亘 (株)ニチゾウテック, 技術コンサルティング本部, 技術営業担当部長
橋本 孝晴 (株)東京測器研究所, FBC, 研究主任
|
Research Abstract |
米国においては,20世紀を終えるにあたり,社会基盤施設の老朽化が非常に深刻化した結果,それらの維持管理を如何に合理的・効率的に進めるかが問題となった.我が国においても,老朽化は急速に進行しつつある.補修ならびに補強を前提とした維持管理・構造制御に関わる研究をベースとして,構造物にセンサーを設置し,音,温度,変形,振動,腐食量などの物理量を常時観測し,その観測値をさまざまな信号処理技術を駆使して分析することで,対象物に蓄積された損傷の程度を経時的に把握し,構造物の健全性を総合的に判断するヘルスモニタリング技術の確立が求められている. 本研究では,近年実用化が著しい光ファイバーを活用した物理量計測の高度化を進め,社会基盤施設のヘルスモニタリングシステムヘの応用を検討することを目的とした.特に,FBG形式ひずみ計測の同時多点計測が可能であることを有効に活用することで,多機能光ファイバーセンシングの可能性を検討した.本研究を遂行するにあたり,平成13年度には,光ファイバーセンサーの基本性能試験結果,およびセンサー開発動向ならびに実構造物の健全性診断の現状調査結果をまとめ,続いて平成14年度では,各種センサーの構造モデルの立案を行い,室内実験により検討した.また,室内実験および現場計測等で,どのようなセンサーの必要性があるか,何をモニタリングして構造物の健全性を評価することができるのか本研究参画者全体で議論した.留意すべきことは,光ファイバーセンサーにはノイズに強い・超軽量などの利点があるが,使いやすさ・現場での測定精度・コスト面などにおいて,現行のひずみゲージより優位になるまでには,相当の時間を有するものと思われ,当面の間は,パッキングをベースとしたひずみモジュール,各種土木変換器のような光ファイバーの利点が最大限有効に生かされ,かつ,欠点が問題とならないような用途に限定される.
|