2001 Fiscal Year Annual Research Report
温室効果ガスと生物汚泥の排出が無い創エネルギー・高速排水処理システムの実用化研究
Project/Area Number |
13555152
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Research Institution | Kure National College of Technology |
Principal Investigator |
山口 隆司 呉工業高等専門学校, 建築学科, 助教授 (10280447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜崎 敏 コトブキ技研工業株式会社, 化工機事業部技術部・技術課, 課長
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Keywords | 都市下水 / 嫌気性生物処理 / メタン発酵 / メタン酸化菌 / 硫黄酸化細菌 / 硫酸塩還元細菌 / 低濃度排水 / 窒素除去 |
Research Abstract |
1 本研究においては,先ず,実都市下水を処理するための生物処理反応器を作成した。開発中の排水処理システムは,微生物自己造粒型のメタン発酵槽を主体に構成し,数百mgCOD・L^<-1>の低濃度排水(実都市下水)を処理するものである。また,メタン発酵槽後段には,メタン酸化(温室ガス削減),汚泥減溶,および水質向上を目的とする密閉型好気性ろ床を付加した。システムの排水処理能力は,平成14年3月現在,温度制御フリーの環境下で,水理学的滞留時間12時間,COD容積負荷約1kg・m^<-3>・d^<-1>であり,今後はこれを上昇させていく。 2 メタンの完全分解するために,反応器を連続運転し,密閉型好気性ろ床にメタン酸化菌の増殖を図っている。今後,好気性処理槽におけるメタン酸化菌の能力を評価し,温室ガス削減のためのバイオリアクター設計因子として定量する。また,硫黄還元・酸化菌によるBOD除去能力についても定量化する。 3 排水処理システムに保持された微生物生態を評価したところ,植種汚泥(食品産業排水処理嫌気性微生物)の履歴上,前段嫌気槽にはメタン生成古細菌および硝酸塩還元細菌が優先化していた。後段の密閉型好気性ろ床について,メタン酸化細菌,硫黄酸化細菌の空間分布,増殖特性,代謝活性等を評価していく。 4 メタン酸化細菌については2株の培養をすすめている。また,硫黄酸化細菌については排水処理システムから1株の単離を行っている。これらの微生物が排水処理システムにおいていかなる役割を果たすか,DGGEやシーケンサーによる系統解析等をすすめる。 5 脱窒素を促す硝酸塩還元菌の代謝活性が認められたので,夏季にかけて好気槽内の硝化菌の集積を図り,窒素除去も同時に行う処理システムとして構築を進めていく。
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