2002 Fiscal Year Annual Research Report
連続繊維ベルトを外帯筋状に巻き付けプレストレスを導入したRC柱の耐震・応急補強法
Project/Area Number |
13555159
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山川 哲雄 琉球大学, 工学部, 教授 (50142352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 元 横浜ゴム(株), 研究本部・第6グループ, 課長
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Keywords | 耐震補強 / 応急補強 / アラミド繊維ベルト / プレストレス / 切り鋼板 / 有限要素法 / せん断補強 / 耐震性能 |
Research Abstract |
研究2年目の2002年度は高軸力(軸力比0.6)下の正負繰り返し水平加力耐震補強実験4体と、地震被災直後の応急補強を前提にした一定軸力(軸力比0.2)下の正負繰り返し水平加力実験3体を行った。さらに、これらの基礎的研究としてアラミド繊維ベルトを外帯筋状に巻き付け、プレストレスを導入した無筋コンクリート柱の中心圧縮実験5体と、3次元非線形有限要素法を用いた弾塑性解析を行った。 高軸力下の耐震補強実験でも、損傷後の応急補強実験においても、切り鋼板を柱の4面にあてコーナーアングルとプレストレスを利用して、これらの切り鋼板を圧着すれば、耐震性能を飛躍的に改善できることがわかった。これは、切り鋼板が主筋の座屈を防止するために有効に作用するからである。これらの力学的メカニズムの解明に向けて、さらなる加力実験と解析的検討を次年度予定している。 中心圧縮実験では高横拘束されたコンクリートの圧縮性状を究明するために、プレストレスを導入した場合としない場合の2種類に関して行った。その結果、プレストレスを導入しないと圧縮強度に到達した後、強度がいったん減少するが、ひずみの増大とともに圧縮強度が次第に回復してくる。しかし、プレストレスをアラミド繊維ベルトに導入し、コンクリートを高横拘束下におくと、ひずみが増大しても強度の減少は小さく、靭性に富んだ高強度コンクリートの具現化が可能になりそうであることが明らかになった。この実験的事実は有限要素法でも数値解析的に説明できることもわかった。しかし、試験体数が現時点では少ないので、さらに中心圧縮実験を継続し、実験データを集積する必要がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 玉寄幸直, 山川哲雄, 佐藤元: "アラミド繊維ベルトによりプレストレスを導入した極短柱の耐震・応急補強法"コンクリート工学年次論文集. Vol.2,No.2. 1261-1266 (2002)
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[Publications] Neshel, K.N., Yamakawa, T.: "FEM-based Confinement Model for Axially Loaded Columns Retrofitted by Prestressed Aramid Fiber Belts"コンクリート工学年次論文集. Vol.2,No.2. 115-120 (2002)
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[Publications] Yamakawa, T., Nesheli, K.N.: "Experimental investigation on seismic retrofit of RC short columns by utilizing prestressed aramid fiber belts"The Third Middle East Symposium on Structural Composites for Infrastructure Applications. (口頭発表). 79-80 (2002)
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[Publications] 佐藤元, 山川哲雄, 玉寄幸直: "アラミド繊維ベルトによりプレストレスを導入した極短柱の高軸力下における耐震補強実験"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2(北陸). 823-824 (2002)
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[Publications] 玉寄幸直, 山川哲雄, 佐藤元: "アラミド繊維ベルトによりプレストレスを導入した極短柱の応急補強実験"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2(北陸). 825-826 (2002)
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[Publications] 玉寄幸直, 山川哲雄, 佐藤元, 藤川将吾: "高軸力下の極脆性柱に切り鋼板とアラミド繊維ベルトによりプレストレスを導入した耐震補強実験"日本建築学会九州支部研究報告集. 第42号・1. 561-564 (2003)