周期構造基板を用いた強磁性ナノ粒子の規則配列化と高密度磁気記録媒体への応用

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13555189
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 弘津 禎彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70016525)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 須藤 孝一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90314426) ; 佐藤 和久 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (70314424) ; 岩崎 裕 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029901) ; 篠原 肇 日立金属株式会社, 技術本部・新事業開発センター理事副センター長 ; 石丸 学 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00264086)
• Keywords: 粒子規則配列 / FePt / FePd / 基板原子ステップ / L1_0構造 / 硬質磁性 / 高分解能電子顕微鏡 / エピタキシャル成長

Research Abstract

次世代超高密度磁気記録媒体として、高い保磁力を持つ硬磁性ナノ粒子を10-20nm間隔で周期規則配列させた媒体が期待されており、多くの研究が進められている。現在、ナノ粒子としては高い結晶磁気異方性を有するFePt, FePdL1o型規則合金ナノ粒子が注目されている。我々は、これまで大気中中劈開したNaCl単結晶基板を真空中で400℃に加熱してPt、Feの逐次蒸着を行い、さらに蒸着後に600℃にて規則加熱処理を行うことによりFePtナノ粒子を形成してきた。本研究では単結晶基板表面に形成される微細な原子ステップを利用してナノ粒子の規則配列化と高密度配置を試みた。その結果、僅かに傾斜したNaCl(001)基板上において4nmサイズのFePtナノ粒子が規則的に高密度に配列した組織が形成され、その粒子密度は1.5×10^<12>cm^<-2>のオーダーであり通常の蒸着法により形成される粒子密度よりも一桁大きい値となった。しかしながら、粒子が非常に微細かつ高密度分散であるため蒸着後の約500℃以上での熱処理において粒子はステップエッジに沿って凝集し1次元的な細線へと形態が大きく変化した。さらに粒子サイズが約7nm以下の場合、400℃での蒸着直後に単一バリアントのL1o型規則相が形成されることが判明した。規則化温度低減、c-軸配向制御につながると考えられる。NaCl(001)基板だけでなく(110)基板においても粒子の規則配列が一部に見られたが、その形態制御は困難であった。SrTiO_3(311)基板上に形成される微細な原子ステップを利用したナノ粒子規則配列化についても検討したがPt、Pdをともに非常に高密度に基板表面上に分散し、ステップエッジへの優先的な配列は見られなかった。現在,新たに、高分子球粒子2次元規則配列を利用した、FePt, FePdナノ粒子2次元規則配列構造の作製を試みつつある。

Research Products

• [Publications] K.Sato, Y.Hirotsu: "Structure and magnetic property change of epitaxially grown L1o-FePd nanoparticles on annealing"Journal of Applied Physics. 93(11)(in press). (2003)
• [Publications] K.Sato, T.Kajiwara, M.Fujiyoshi, M.Ishimaru, Y.Hirotsu, T.Shinohara: "Effects of surface step and substrate temperature on nanostructure of L1o-FePt nanoparticles"Journal of Applied Physics. 93(10)(in press). (2003)
• [Publications] K.Sato, M.Fujiyoshi, M.Ishimaru, Y.Hirotsu: "Effects of additive elements and particle size on the atomic ordering temperature of L1o-FePt nanoparticles"Scripta Materialia. 44(8/9). 921-927 (2003)
• [Publications] K.Sato, B.Bian, Y.Hirotsu: "Fabrication of oriented L1o-FePt and FePd nanoparticles with large coercivity"Journal of Applied Physics. 91(10). 8516-8518 (2002)
• [Publications] K.Sato, B.Bian, Y.Hirotsu: "L1o type ordered phase formation in Fe-Au nanoparticles"Japanese Journal of Applied Physics. 41(1A/B). L1-L3 (2002)
• [Publications] Y.Hirotsu, K.Sato, B.Bian: "Oriented hard magnetic L1_0-FePt and FePd nanoparticles"Proceedings of the 15^<th> international Congress on Electron Microscopy (ICEM15, Durban, South Africa). 1. 285-286 (2002)