2001 Fiscal Year Annual Research Report
大気中で作製可能な高飽和磁束密度ナノ結晶軟磁性合金の開発
Project/Area Number |
13555190
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
牧野 彰宏 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (30315642)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 章伸 アルプス電気(株), 磁気応用事業部・材料研究部, 主任技師(研究職)
尾藤 輝夫 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助手 (40315643)
|
Keywords | ナノ結晶軟磁性合金 / 液体急冷法 / 高飽和磁束密度 / 高透磁率 / 低鉄損 |
Research Abstract |
1.ナノ結晶Fe-M-B(M=Zr,Hf,Nb)合金よりM元素としてNbを選択し、更にNb濃度を6.5at%以下とすることにより、大気中での薄帯作製が可能であることを確認した。 2.大気中で作製できる高Fe濃度Fe-Nb-B合金では薄帯作製時にアモルファス相中に粗大なα-Fe相が析出するため熱処理後に均一なナノ結晶組織が得られず、軟磁気特性が劣化することが明らかになった。 3.Fe-Nb-B合金のBをPで1at%程度置換することにより、非晶質形成の限界近傍の高Fe濃度組成で軟磁気特性の向上が確認され、これにより大気中での薄帯作製が可能で、かつ高い飽和磁束密度と優れた軟磁気特性を兼備した合金の開発が可能であることを確認した。 4.高Fe濃度Fe-Nb-B-P合金に更にCuを0.1at%程度添加することにより、薄帯作製時にアモルファス相中に析出するα-Fe相を数nmまで微細化でき、結晶化後に優れた軟磁気特性を実現できることを確認した。 5.以上の成果から、大気中での薄帯作製が可能で、かつ1.61Tの高飽和磁束密度、41,000(1kHz)の高透磁率、0.11W/kg(50Hz,1.4T)の低鉄損を兼備したFe_<84.9>Nb_6B_8P_1Cu_<0.1>合金を見出した。本合金の磁気特性は、従来のアモルファス単相薄帯を結晶化させて得られるものと遜色なく、液体急冷組織中のナノスケールまで微細化されたα-Feは、ナノ結晶化組織の均一性を害さず、軟磁気特性劣化の要因にはならないことが確認された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Akihiro Makino, Teruo Bitoh, Akihisa Inoue, Tuyoshi Masumoto: "Effect of P and Cu additions on as-quenched structure and soft magnetic properties of Fe-Nb-B nanocrystalline alloys"Proceedings of 4th Pacific Rim International Conference on Advanced Materials and Processing. Vol.I. 131-134 (2002)
-
[Publications] 牧野彰宏, 尾藤輝夫, 松田直人, 後藤正治: "ナノ結晶軟磁性Fe-Nb-B合金へのP添加効果"電気学会マグネティックス研究会資料. MAG-01-94. 7-12 (2001)
-
[Publications] 牧野彰宏: "柱上トランス用高B_S,低損失Fe-Nb-B系ナノ結晶合金"電気学会マグネティックス研究会資料. MAG-01-126. 7-12 (2001)
-
[Publications] Akihiro Makino: "Nanocrystalline Fe-M-B (M=Zr, Nb, Hf) soft magnetic alloys with high magnetic flux density"Proceedings of Oxford-Kobe Materials Seminar 2001. (印刷中). (2002)