2002 Fiscal Year Annual Research Report
電子スペックル干渉カメラによる新しい材料劣化診断技術の確立
Project/Area Number |
13555193
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
豊岡 了 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90019753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 学 茨城工業高等専門学校, 助教授 (40237128)
門野 博史 埼玉大学, 理工学研究科, 助教授 (70204518)
加藤 寛 埼玉大学, 工学部, 教授 (80107375)
孫 萍 富士写真光機株式会社, 光学機器部設計課, 研究員
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Keywords | 電子スペックル干渉法(DESPI) / ヒルベルト変換法による位相解析 / 塑性変形の波動的伝播現象 / 変形の時空間解析 / 植物の変形 |
Research Abstract |
研究課題名にも記載の「電子スペックル干渉カメラ」(DESPI)の試作をほぼ完了した。装置の概要を以下に示す。 (1)一定の時間間隔における面内2成分の変形(時間差分)を連続的に解析し、表示することができる。 (2)差分時間は、ビデオレートのレベルから高速度カメラ使用のレベルまで、種々の使用に耐えるものとするために、スペックル干渉計とカメラ部を分離できる構成とした。 (3)位相解析法として、前年度は和差法を開発したが、問題点を解決するために、新たにヒルベルト変換法による位相解析法を開発した。これにより、10ナノメータ以下の誤差レベル変形解析を行うことに成功した。 新しく開発したDESPI装置により得られた計測結果を以下に示す。 (1)炭素鋼、ステンレス鋼の引張試験にいて塑性変形過程における非一様変形の葉動的伝播過程が明らかに示され、磁気的方法およびX線回折により、微視的組成変化との対応が明らかにされた。 (2)ステンレス鋼などの金属の疲労試験に応用し、継続的なDESPI観察により、き裂発生以前に相関縞の非一様パターンが得られることがわかり、材料診断への有用性が確かめられた。 (3)植物の変形測定に適用し、開花過程および草の茎外部負荷に対する応答としての変形をサブ秒の時間間隔で連続的に観察することに成功した。これらの観察より、植物の運動は時間的に連続的ではなく、間歇的であることなど、従来あまり知られていない生命活動の微視的な側面が実験的に示された。 今後の課題と展開予定は以下の通りである。 (1)ソフトウェアの充実をはかり、現システムは変形解析のみであるが、各成分のひずみの解析表示可能にする。 (2)顕微鏡視野の動的現象解析への展開を行う。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] V.Madjarova, S.Toyooka, R.Widiastuti, H.Kadono: "Dynamic ESPI with subtraction-addition method for obtaining the phase"Optics Communications. Vol.212. 35-43 (2002)
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[Publications] Violeta Dimitrova Madjarova, Hirofumi Kadono, Satoru: "Dynamic electronic speckle pattern interferometry (DESPI) phase analyses with temporal Hilbert transform"Optics Express. Vol.11, No.6. 617-623 (2003)
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[Publications] M.Tominaga, S.Toyooka, Y.Saito: "Experimental approach for propagation of strain-localized band in tensile test on SUS304 austenitic stainless steel"Proceedings Vol.1, International Conference on New Challenges in Mesomechanics. Vol.1. 279-285 (2002)
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[Publications] V.Madjarova.T.Satoru, H.Kadono: "Quantitative study of whole-field temporal behavior of plastic deformation in aluminium alloy by dynamic ESPI"Proceedings Vol.1, International Conference on New Challenges in Mesomechanics. Vol.1. 645-650 (2002)
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[Publications] V.Madjarova, S.Toyooka, H.Nagasawa, H.Kadono: "Quantitative evaluation of the blooming process of the lily flower by dynamic ESPI (DESPI)"Proceedengs of VII. International Conference on Optics within Life science. 1-5 (2002)
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[Publications] VII.International Conference on Optics within Life science: "Continuous visiulization of deformation oscillations by dynamic ESPI, a new tool to investigate dynamic phenomena"The 10^<th> International Symposium on Flow Visualization. (CD-ROM). F0159 (2002)