2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13555195
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
北田 正弘 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (70293032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雄一 古河電気工業, 横浜研究所, 研究所長
紀平 寛 新日本製鉄, 技術本部・主任研究官
水流 徹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20092562)
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Keywords | 環境 / 金属薄膜 / Ag / Cu / 合金 / 曝露 / 風速 / 反射率 |
Research Abstract |
(1)長期的環境変化の評価、(2)風速と環境の影響の評価、(3)Ag及びCu以外の金属薄膜と合金薄膜による評価の予備研究、(4)表面に生成した腐食化合物等の分析について研究した。長期的環境変化の評価では、東京芸術大学校地内、東京多摩地区の2個所の屋内と屋外で、前年に引き続き、15日間の放置曝露試験を標準として、薄膜の反射率変化量で月別の環境評価をした。薄膜は主にAgおよびCu膜である。わが国は一年間で温度と湿度の変化が極めて大きいが、AgおよびCu膜の屋外における反射率の減少量は上記の環境条件に強く依存し、温度と湿度の高い夏期の腐食が最も激しい。また、昼間と夜間の間にも差が認められた。木造の家屋内では、屋外環境の影響が大きく、コンクリート屋内では依存性が低い。風速の影響を調べるため、同じ環境で〜0から5m/secまでの実験をしたが、その影響は屋内屋外とも顕著であった。腐食分子密度の高い屋外の影響が大きい。これは美術工芸品の展示場でのエアコンなどの影響が大きいことを示唆している。風速の増大は単位時間に薄膜表面に衝突する空気中分子の数が増大するためと考えられる。新しい試みとしてCo膜を用いた。Co膜は環境依存性がAgやCuに比較して大きい。腐食生成物の分析では、Agが特徴的で、Ag_2SとAgClの生成が検出された。これらは季節依存性が大きく、大気の成分を反映している。これらの成果の一部は特許として申請した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 北田正弘: "Ag薄膜を用いた環境評価"日本金属学会2002秋季大会概要. 17 (2002)
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[Publications] 北田正弘, 桐野文良, 水流 徹, 杉本克久: "伝統技法で煮色着色した銅の電気化学特性"日本金属学会誌. 66・12. 1356-1361 (2002)