2001 Fiscal Year Annual Research Report
一億個オーダーの離散粒子反応シミュレーションのためのモデルアルゴリズムとコード開発
Project/Area Number |
13555205
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
堀尾 正靭 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (40109301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 宏 (株)アールフロー, 代表取締役(研究職)
桑木 賢也 岡山理科大学, 工学部, 講師 (80302917)
野田 玲治 東京農工大学, 工学部, 助手 (70303708)
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Keywords | 離散要素法(DEM) / 粒子間相互作用 / 流動層 / 代表粒子径モデル |
Research Abstract |
平成13年度は、粒径分布を有した系で、粒子-粒子間相互作用(液架橋力、van der Waals力、静電気力等)を考慮でき、かつ1億個オーダーの離散粒子挙動をシミュレートする方法について検討を行ってきた。議論の結果、上記の条件を満足する方法として下記の仮定に基づく代表粒子モデルを開発した。 1)粒子は球形である。 2)同一物性(粒経、密度など)を有する複数の粒子からなる粒子群の挙動を、その中心にある1個の粒子(代表粒子と定義する)であらわす。 3)代表粒子の運動方程式は、粒子群間の相互作用の積算の形で記述する。 上記の仮定に基づいて代表粒子モデルのアルゴリズム開発とコーディングを行った。粒径1mm、粒子数27万個の乾燥粒子および湿潤粒子(液架橋力を考慮)を模擬する代表粒子径3mm(粒子数3万個)および6mm(7500個)の代表粒子モデル計算結果と、1mm(27万個)の従来型DEMシミュレーションを比較した結果、気泡の挙動や圧力変動とも概ね類似の結果が得られ、代表粒子モデルによって大規模粒子系をより計算負荷の低い少数の粒子系でシミュレートできることが示された。ただし、現時点では、代表粒子モデルの最小流動化速度(u_<mf>)が、u_<mf>の若干の増加が認められ、また、代表粒子径を増加させると、層挙動に時間的な遅れが生じる傾向があることも観測された。乾燥粒子系と湿潤粒子系を比較すると、粒子間相互作用の一つである液架橋力が支配的な湿潤系で従来型DEMと代表粒子モデルの挙動が近くなる傾向があった。 上記と並行して、より現実的なシミュレーションを目指して、粒子-流体間に働く潤滑力の効果を取り込むための基礎的な検討も行った。従来、固気系では、潤滑力を無視して計算が行われてきたが、微粒子の場合、潤滑力を考慮すべきであることを明らかにした。
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