2001 Fiscal Year Annual Research Report
有機ゼオライト触媒を水中で用いる有機合成プロセスの改変
Project/Area Number |
13555220
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 安宏 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00038093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 健 秋田大学, 工学資源学部, 講師 (70304730)
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Keywords | 有機ゼオライト / 多孔質 / 固体触媒 / エノール化 / ジルコニウム / 糖の異性化 / ホスト-ゲスト / 超臨界流体 |
Research Abstract |
アントラセンのビスレゾルシン誘導体およびその金属配位体を中心に、有効な有機多孔体固体触媒(有機ゼオライト)の開発を目指した。主な成果は以下のとおりである。 1. ジルコニウムを固定化した有機ゼオライトは水中でケトンのエノール化を促進し、アルドール縮合などの基本的なC-C結合生成反応に対し有効な固体触媒となることは既報であるが、同様にエノール中間体(エンジオール)を経由すると考えられる糖の異性化(ブドウ糖(グルコース)から果糖(フルクトース))にも非常に有効であることが判明した。異性化糖は工業的にも重要であり、プロセス工学的にも検討するための指針が得られた。 2. 基質の取り込みにおいては二酸化炭素超臨界流体中でのゲストの取り込みを詳細に検討し、これを気相中、水中での取り込み挙動と比較することにより、ゲストの溶媒環の重要性を明らかにした。 3. 新しいタイプの有機ゼオライトとしてアクリジンーレゾルシン系を検討した。 ここでは、レゾルシン部位の水素結合鎖(O-H…O-H)が窒素により架橋され(O-H…O-H…N)、配位飽和の水素結合ネットワークが形成される。このものは、種々のゲストの包接に関し結晶構造が保存され、ホストの修飾(水酸基の導入)に際しても結晶構造は維持される。さらに、ゲスト分子を(部分的)に除いても"多孔質"の結晶構造は崩壊しない。これらの結果は"自己相補的(self-complementary)な素材が真に強固なネットワークを形成し、結晶工学の分野に系統的な構造変化の手法を導入することが可能であることを示す極めて異例のものであり、水素結合で形成された有機多孔体としてもユニークなものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takehisa DEWA, Toshiyuki SAIKI, Yasuhiro AOYAMA: "Enolization and Aldol Reactions of Ketone with a La-Immobilized Organic Solids in Water. A Microporous Enolase Mimic"J.Am.Chem.Soc.. 123・3. 502-503 (2001)
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[Publications] Osamu HAYASHIDA, Aki MATSUO, Yasuhiro AOYAMA: "Macrocyclic Saccharide Bundles as a New Type of Firm DNA Binders"Chem.Lett.. 3. 272-273 (2001)
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[Publications] Toshihiro TANAKA, Ken ENDO, Yasuhiro AOYAMA: "Stacked Porphyrin Arrays from Hydrogen-Bonded Porphyrin-Resorcinol 1D Chains Bull. Chem. Soc. Jpn."Bull.Chem.Soc.Jpn.. 74・5. 907-916 (2001)
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[Publications] Masanobu NAITO, Yusuke SASAKI, Takehisa DEWA, Yasuhiro AOYAMA, Yoshio OKAHATA: "Effect of Solvation on Induced-Fit Molecular Recognition in Supercritical Fluid to Organic Crystals Immobilized on a Quartz Crystal Microbalance"J.Am.Chem.Soc.. 123・44. 11037-11041 (2001)
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[Publications] 林田修, 青山安宏: "糖鎖分子の設計と生理機能"学会出版センター. 94-100 (2001)