2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入ニワトリによる卵白へのインシュリンの生産
Project/Area Number |
13555225
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飯島 信司 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00168056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角谷 徹 鐘淵化学工業(株), ライフサイエンスセンター高砂研究所, 基幹研究員
上平 正道 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40202022)
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Keywords | トランスジェニック / 鳥類 / 試験管内孵化 / レトロウイルス / パントロピック / ウズラ |
Research Abstract |
前年度までに、パントロピックレトロウイルスをベクターとして用い、ベクターのLTRプロモーターで作動するGFP(Green fluorescence protein)、内部のRSVプロモーターで作動するneo(ネオマイシン耐性)遺伝子を組込んだ組換えウイルスをウズラblastdermに感染し、生殖系列に遺伝子が導入されたトランスジェニックウズラを得た。しかしこのウズラでは導入された遺伝子がほとんど発現しておらず物質生産という観点から問題を残した。 そこで本研究ではまずneoの発現の程度を検討したところ、培養繊維芽細胞で発現した場合の約1/100,GFPはゼロであった。次に発現しない原因を探るため遺伝子DNAのメチル化とヒストンの脱アセチル化について調べた。特にDNA中のシチジンのメチル化による遺伝子の不活化は多くのレトロウイルスで知られているため重点的に調べた。 G_1トランスジェニック3匹よりDNAを抽出し、メチル化感受性及び非感受性制限酵素を用いて検討したところ、LTR及び内部領域いずれもメチル化されていなかった。同様のことはBisulfite処理サンプルのDNAシークエンス法でも確認できた。 一方、G_1トランスジェニックウズラより繊維芽細胞を調製し、DNAのメチル化を解除すると言われている5-アザシチジン存在化で培養してもneo,GFPとも発現しないことにより、メチル化により遺伝子が不活化されていないことがあらためて示された。さらにこの繊維芽細胞をトリコスタチン存在下で培養しても発現が見られないことから、ヒストン脱アセチル化が原因でもないと考えられる。現在リプレッサーの結合など他の原因を追及中である。
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