2001 Fiscal Year Annual Research Report
組換えタンパク質分泌生産効率化のための迅速プロテオーム解析システムの構築
Project/Area Number |
13555226
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
加藤 滋雄 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (20026272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 久雄 協和発酵工業(株), 工務部, 技術開発室長
塩見 尚史 神戸女学院大学, 人間科学部, 助教授 (20299077)
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Keywords | 分泌生産 / α-アミラーゼ / 抗ペプチド抗体 / プロテオーム解析 / C-末端健全体 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
組換え微生物によるタンパク質分泌生産は、活性タンパク質が得られ、分離も容易なためバイオ生産に広く用いられている。しかし、シグナル切断の不完全さやプロテアーゼの影響で必ずしも望みのタンパク質が高い収率で得られない。そこで、迅速測定法を用いる産生タンパク質の特性解析、細胞の生育状況の指標タンパク質ならびにプロテアーゼの測定に基づくプロテオーム解析により、分泌生産特性を的確に把握して培養制御を行い、分泌生産の効率化を図る手法を構築することした。 本年度は、α-アミラーゼ遺伝子を宿主酵母S. cerevisiaeおよびPichia pastorisに形質転換した。これらを用いてα-アミラーゼを分泌生産させ、その分泌効率に与える培養条件の検討ならびに、C-末端部の特定領域を認識する抗ペプチド抗体を用いて、これら領域の状態を知る免疫測定法を確立すること、また、ELISA、シーケンス結果と比較し、本法で正確かつ迅速にキャラクタリゼーションが行えることを明らかにすることを目指した。 その結果、この抗ペプチド抗体を用いて、C-末端部の健全なα-アミラーゼを検出できることが明らかとなった。酵母S. cerevisiae培養過程において、分泌α-アミラーゼ活性体に占めるC-末端健全体の割合は培養時間と共に低下した。このことから、菌体外プロテアーゼの影響が示唆されたため、プロテアーゼ阻害剤leupeptinの添加を検討した。菌体増殖に影響を与えない濃度で逐次添加を行ったところ、活性・C-末端健全体の割合は共に向上し、培養72hで通常の約4倍のC-末端健全体収量を得た。酵母P. pastoris培養過程にいても、C-末端欠損体は検出され、培地中にはSaccharomyces属以上にプロテアーゼが検出された。 今後、プロテアーゼの影響の少ない培養条件を検討すると共に、分泌効率を上げるための方策を明らかにする。
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Research Products
(1 results)