2001 Fiscal Year Annual Research Report
サイト選択および微量成分検出のための高分解能蛍光分光X線吸収分光検出装置の製作
Project/Area Number |
13555230
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
泉 康雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (50251666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋鹿 研一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20016736)
田口 武慶 理学電機株式会社, X線研究所・回折研究部・第2研究室, 研究員
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Keywords | サイト選択 / 微量元素 / エネルギー分解能 / 分光結晶 / 自動制御 / 吸着剤 / 鉛 / バナジウム触媒 |
Research Abstract |
X線吸収微細構造(XAFS)を用いると非晶質・複合材料についても、試料の存在形態によらずにサイト構造を調べることができる。しかし、複数のサイトが試料中に共存する場合、得られる情報は平均である。また、重元素を多量に含む試料中の微量元素サイトについての測定は困難である。 本研究では、これらの問題を解決すべく、蛍光分光しながらXAFS測定する手法の汎用化を目指す。サィト(価数、配位数)毎に、より選択的なスペクトルを得るために蛍光分光器を高エネルギー分解能化、また微量元素サィトからの蛍光X線を効率よく取り込むための分光結晶大型化および複数化を行なう。 本年度は、エネルギー分解能0.2eVの蛍光分光器を新たに設計、また大型分光結晶、複数結晶化のためのアタッチメントも組み込み、製作を行なった。結晶部分と検出器部分自動制御だけでなく、ローランド円内のスリットおよび試料回転も自動化、より精密調整可能にした。 装置製作と平行して、すでに開発しているエネルギー分解能1.1eVの蛍光分光器に大型分光結晶を組み込み、重元素を多量に含む試料中の微量元素サイトについての測定に適用した。鉄を17.35wt%含む試料中に吸着した0.01wt%鉛について、Pb Lα_1線を捕らえながらPb L_3吸収端XAFSを測定することに成功した。また常にチタンの妨害信号が問題になりこれまで測定困難であった、V-Ti0_2触媒中0.60wt%のバナジウムについて、V Kα_1線を捕らえながらV K吸収端XAFSを測定した。今年度の研究成果として、掲載済みめ論文を11稿に挙げる(英文校閲)。他に、1報投稿中、1報現在作成中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 泉 康雄, 清瀧史貴: "状態識別XAFS(X線吸収微細構造)の原理と応用"表面. 37・7. 276-283 (2001)
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[Publications] 泉 康雄: "蛍光分光サイト選択XAFS"Photon Factory News. 19・3. 22-28 (2001)
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[Publications] Yasuo Izumi, Fumitaka Kiyotaki, Yoshimi Seida: "Monitoring of Trace Amounts of Lead on an Adsorbent by X-ray Absorption Spectroscopy Combined with a Fluorescence Spectrometer"Journal of Physical Chemistry B. 106・7. 1518-1520 (2002)
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[Publications] Yasuo Izumi, Fumitaka Kiyotaki, Yoshimi Seida: "XAFS Spectroscopy Utilizing a Fluorescence Spectrometer for Lead Ion Adsorption Site on Pyroaurite"SPring-8 User Experiment Report (2001A). 7. 83-83 (2001)
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[Publications] Yasuo Izumi, Fumitaka Kiyotaki, Taketoshi Minato, Yoshimi Seida: "XAFS Spectroscopy Combined with a Fluorescence Spectrometer for Trace Amounts of Element. Lead Adsorption Site in the Environmental Conditions"SPring-8 User Experiment Report (2001B). 8(印刷中). (2001)