2001 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質セラミックス固定化酵素触媒の開発と光学活性含フッ素超分子材料の創製
Project/Area Number |
13555255
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
酒井 貴志 岡山大学, 工学部, 教授 (00170556)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 茂男 (株)林原生物化学研究所, 所長
是永 敏伸 岡山大学, 工学部, 助手 (70335579)
依馬 正 岡山大学, 工学部, 助手 (20263626)
|
Keywords | セラミックス / 固定化触媒 / 架橋剤 / リパーゼ / 酵素 / フッ素 / 不斉合成 / 不斉配位子 |
Research Abstract |
本研究は、多孔性セラミックスを担体とする高効率的な固定化リパーゼ触媒を開発すると共に、それらを使って、新しい含フッ素不斉触媒を開発することにある。本年度得られた成果を以下にまとめる。 1.多孔性セラミックスを担体とする固定化リパーゼ触媒を開発するために、まずセラミックスに取り付ける有機架橋剤の役割と機能を調査した。有機架橋剤は末端にシラノール部を持ちそれによりセラミックス部と共有結合により固定化する。一方、他端はエステル基を持ちさらにオレフィン、アルカン、芳香環などを持つ様々な種類のものを合成した。そこへ、リパーゼを固定化した。その結果、リパーゼのエナンチオ選択性、回転数は架橋剤により大きく影響を受けることが判明し、最適の架橋剤設計の指針を得ることが出来た。 2.上記多孔性セラミックス固定化リパーゼ触媒を用いて、高光学純度のペンタフルオロフェニル置換のシアノヒドリンを調製することに成功した。さらに、それを鍵中間体として、ペンタフルオロフェニル基を隣接して2個有する、光学的に純粋なエタンジオール、1,2-アミノアルコール、エタンジアミンを初めて合成することができた。これらの化合物の不斉配位子としての能力については、きわめて興味の持たれるところである。この点について精査したところ、ペンタフルオロフェニル2置換のエタンジアミン誘導体は、BINAP-Ru触媒の配位子として使用したとき、ケトン類の不斉水素化のエナンチオ選択性を高める働きをすることが分かった。 以上のように、本研究は、学問的に重要かつ実用上にも有意義な成果を挙げつつある。
|
Research Products
(1 results)