2001 Fiscal Year Annual Research Report
超小型衛星・航空機用マイクロ液体スラスターの試作研究
Project/Area Number |
13555267
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 厚史 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10243924)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 種正 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 教授 (50126306)
八坂 哲雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80261238)
永山 邦仁 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20040446)
|
Keywords | マイクロマシン / マイクロタンクアレイ / 気液相変化 / マイクロチャンネル / マイクロヒーター |
Research Abstract |
液体燃料を用いたマイクロスラスターを試作するため、今年度はマイクロチャンネル中での液体の蒸発現象の観察およびマイクロタンクアレイシステムの試作を行った。液体燃料としては将来的には過酸化水素水やHANベース推進剤を計画しているが、ここではその予備実験として電気絶縁性に優れたフロリナートあるいは純水を用いている。 まず1mmX3mmのマイクロチャンネルの高さを20ミクロンから5ミクロンまで変化させてその中での蒸発の様子を高速度カメラで観察するために、チャンネルはシリコンウエハーのウエットエッチングで形成し、それに接合するガラス基板に透明なITO薄膜をスパッタしてパターニソグすることでヒーターとした。流動様式はチャンネル高さに強く依存し、また5ミクロン程度まで狭くなるとナノメートルオーダーであるはずの表面粗さが大きく現象を左右することがわかった。 平行してガラス板に直径2mm長さ3mmの孔をアレイ状に設けて、それぞれの上にはシリコンウエハーを10ミクロン程度まで薄くなるようエッチングした部分が蓋となるように接合して使い切りのタンクアレイを試作した。この蓋の上には金薄膜製の電極を100ミクロン程度間隔をあけて配置してあり、瞬間的に高電圧をかけることで一個一個の蓋が破れて中の液体がうまく供給できることが確認できた。この現象を詳しく調べたところ、電極間の放電によるシリコン膜の亀裂の生成に、熱による相変化に伴って増大したタンク内部の圧力が加わることで、これまで困難とされた厚い蓋が開く動作が達成されたと考えている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Ryoji DOIHARA, Koji TAKAHASHI: "Numerical Calculation of Laser-Induced Bubble near a Solid Boundary until the Second Collapse"JSME International Journal. 44・2. 238-246 (2001)
-
[Publications] K.Takahashi, K.Maeda, T.Ikuta, S.Hatano, S.Hatano, Y.Mori, K.Nagayama: "Transient structure of ionized atmosphere in pulsed laser propulsion system"SPIE. Vol.4183. 907-916 (2001)
-
[Publications] K.Takahashi, K.Nagayama, T.Yasaka, T.Asano: "Micro-Isolation Valve for Fuel Tank Array"Proc. 2001 ASME IMECE. 2-23839. 1-6 (2001)
-
[Publications] 生田竜也, 高橋厚史: "簡易型ピエゾ駆動式マイクロポンプの試作研究"九州大学工学集報. 74・6. 659-664 (2001)
-
[Publications] 高橋厚史: "ガスタービンの超小型化に向けて:チップ成形とスラスタヘの応用"日本ガスタービン学会誌. 29・4. 262-265 (2001)
-
[Publications] K.Takahashi, H.Sakal, K.Nagayama, A.Baba, K.Makihira, T.Asano: "Vaporization and Nucleation on Microheater in Microchannel with Nozzle"AIAA Paper. 3075. 1-6 (2001)