2002 Fiscal Year Annual Research Report
水熱プロセスによる二酸化炭素からの有機化合物の直接合成
Project/Area Number |
13555277
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山崎 仲道 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50036589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中塚 勝人 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60005345)
小田 幸人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40005369)
後藤 芳彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20221252)
橋田 俊之 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40180814)
土屋 範芳 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40207410)
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Keywords | 非平衡流通式反応装置 / 二酸化炭素の還元 / 有機物の直接合成 / 還元反応に及ぼすニッケル添加の効果 / 長鎖有機物 / バッチ式還元装置 |
Research Abstract |
本年度は平成13年度に完成した非平衡(流通式)装置の性能実験と改良、および実際の流通実験を主に行った。二酸化炭素は安定な化学形であり、短時間で反応が完了する非平衡な実験では、従来のオートクレーブによるほぼ平衡条件に達する反応との類似点、相違点を明らかにし、工業的に応用する際の基礎データの取得に努めた。本年度で改良した主な点は以下の通りである。以前設計した非平衡(流通式)装置の温度センサーの位置による特性では、コントローラのみでは反応管内の適切な温度コントロールが出来なかった。このため、実際の溶液を流通させ、コントローラの指示温度と実際の内部温分布との関係を、様々な流量のもとで測定し、その結果を総合的に評価することにより、特に反応管内の温度特性が著しく向上し、より厳密な温度圧力の条件下での実験が可能になった。実際の実験においては、反応系が気-液-固の三相から成る複雑な反応系であるため、バッチ式の反応系より若干収率が低下する傾向があり、実用的な応用には幾つかの更なる改善が必要であるが、その具体的な改善点を明らかにすることが出来た。その一つに、並行して進められた炭酸ガスの還元に関する実験で、既存の方法に新たな金属(Ni)を添加することで、転換率が飛躍的に上昇することが明らかとなり、また、特定の反応時間や温度の設定により、従来得ることが困難だった長鎖の有機化合物や、特定の有機物群を選択的に合成出来る可能性があることが明かになった。これらの結果は非平衡式の流通反応でも容易に応用出来る事から、本システムによって、廃鉄を利用した本格的な工業化による二酸化炭素から有機化合物への直接合成の可能性を示すことが出来た。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Kori, Y.Yashiro, N.Yamasaki: "Methane Formation from Carbon Dioxide under Hydrothermal Condetion"5th International Conference on Solvo-Thermal Reactions. Vol.5. 107-110 (2002)
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[Publications] Y.Yashiro, T.Kori, N.Hirano, Y.Oda, N.Yamasaki: "Organic Compound Synthesis from CO2 by Hydrothermal Reduction"5th International Conference on Solvo-Thermal Reactions. Vol.5. 302-303 (2002)
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[Publications] 屋代裕一, 後藤芳彦, 小田幸人, 平野伸夫, 山崎仲道: "水熱還元によるCaCO3からの有機化合物の直接合成"化学工学会第67年会研究発表講演要旨集. Vo1.67. H318-H318 (2002)
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[Publications] 屋代裕一, 郡寿也, 高橋浩雄, 山崎仲道: "水熱還元によるCO2からの有機化合物の直接合成"資源素材学会平成15年度春季大会. (発売予定). (2003)
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[Publications] 高橋浩雄, 屋代裕一, 郡寿也, 山崎仲道: "水熱法による二酸化炭素の直接還元"第22回エネルギー・資源学会研究発表会. (発売予定). (2003)