2002 Fiscal Year Annual Research Report
硫黄循環ミニ生態系を導入したゴミ焼却残渣からの重金属資源回収システム
Project/Area Number |
13555281
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小西 康裕 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90167403)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 啓介 NKKエンジニアリング研究所, 研究部長(研究職)
野村 俊之 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (00285305)
|
Keywords | 飛灰 / ゴミ焼却残渣 / 重金属 / 硫黄循環 / 硫黄酸化細菌 / 硫酸還元細菌 / 環境修復 / 亜鉛 |
Research Abstract |
浸出液に蓄積された硫酸イオンを硫化水素(重金属イオンの沈殿発生剤)にバイオ変換するために、硫酸還元細菌としてD.auripigmentum (ATCC 700205株)に着目した。D.auripigmentumによる硫酸イオンの還元実験を回分振とう反応器を用いて嫌気性条件下で行い、硫化水素の生成速度について定量的に検討した。その結果、初期硫酸イオン濃度がC_<S0>=4.4、7.0mol/m^3の場合には、誘導期(約2日)の後に液相菌体濃度は指数関数的に増加し、硫酸イオンが著しく消費されて、硫化水素が生成されることがわかった。硫酸イオンの硫化水素へのバイオ還元では、培地中の乳酸イオンやギ酸イオンが電子供与体として作用した。硫酸イオンの消費量と硫化水素(全溶存硫化物)の生成量は、モル基準で1対1の量論関係をほぼ満足した。硫酸イオンの消費量に比例して液相菌数が増加し、D.auripigmentumの増殖収率としてY_S=3.41×10^<13>cells/molが得られた。また、実験データの速度解析によって細菌の最大比増殖速度としてμ_m=0.52〜0.74d^<-1>が得られた。したがって、重金属イオンの沈殿発生剤である硫化水素の最大比生産速度は、μ_m/Y_S=(1.52-2.17)×10^<-14>mol-H_2S/d/cellであると推定された。 重金属イオン(亜鉛)と硫酸イオンの共存下でD.auripigmentumの回分培養実験を行い、硫化亜鉛のバイオ沈殿の可能性について検討した。その結果、初期亜鉛イオン濃度が4.5 mol/m^3の場合には、液相Zn(II)濃度が著しく減少するに伴い、硫酸イオン濃度が減少し、亜鉛イオンの90%以上が沈殿物に変換されることが明らかになった。
|