2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13556001
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
保坂 和良 神戸大学, 農学部・附属農場, 助教授 (60222428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 元幸 独立行政法人農業技術研究機構, 北海道農業研究センター・畑作研究部ばれいしょ育種研究室, 室長
|
Keywords | バレイショ / 純系 / 雑種強勢 / Sli遺伝子 / 自殖 |
Research Abstract |
4倍性純系を育成するための母集団を作出するため、北海道農業研究センターで育成された花粉稔性の高い2倍性半数体47系統に自家不和合性阻害遺伝子(Sli)を持つ系統(Fl-1、97H32-6、97H32-7あるいは97H32-14)を花粉親として交配し(総授粉花数331)、33系統から153の果実を得た。このうち9系統に由来する2072の雑種種子を北海道農業研究センターで育成し初期選抜を行ったところ、ストロンが短くイモの収量も高い1012個体が選抜された。 神戸大学において、既に自殖第5世代に達した2倍性純系を播種し、子葉展開時に成長点に綿浸法を用いて0.15%コルヒチン水溶液を3日間処理した。系統群により異なるが半分以上(100.0〜48.8%)はコルヒチンの薬害によって枯死した。残る107個体についてはプロイディーアナライザーを用いて倍数性を判定し、4倍体のものはイモを収穫した。さらに、イモ世代において倍数性を判定した結果その多くは2倍体であったが、9系統の4倍性純系を得ることができた。 これら4倍性純系について交配試験を行ったところ、自家授粉によってはいずれも着果することはなかった。4倍体普通品種を花粉親として交配したところ(総授粉花数256)、9の通常の大きさの果実と2つの異常に小さい果実を得た。このうち、5系統の4倍性純系から得られた果実からは種子が得られた。 以上の結果より、Sli遺伝子を用いて2倍性バレイショのホモ接合化をはかり。その後代をコルヒチン倍加することにより4倍性純系が得られ、そのうちのいくつかは種子稔性を有することが明らかとなった
|