2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13556001
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
保坂 和良 神戸大学, 農学部附属農場, 助教授 (60222428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 元幸 独立行政法人農業技術研究機構, 北海道農業研究センター・畑作研究部ばれいしょ育種研究室, 室長
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Keywords | バレイショ / 純系 / 雑種強勢 / Sli遺伝子 / 自殖 |
Research Abstract |
北海道農業研究センターにおいて選抜した10系統群(2H2〜2H11)に属する986イモ系統(高稔性2倍体系統と自家不和合性阻害遺伝子Sli供与系統のF_1雑種、すなわちS_0個体群)を栽培し、802系統(81.3%)が開花したので自家授粉(合計3490花)を行った。このうち着果したのは7系統群に属する392系統(48.9%)で、先に育成した実験系統のS_0世代における自殖系統の占める割合18.3%(Birhman and Hosaka 2000)に比べかなり高かった。これは、稔性の高い2倍体系統を親系統としたためと考えられる。また、2H2、2H4および2H10系統群ではSli遺伝子を導入しても全く自殖系統が得られなかった。 先に育成したS_2(96H4系統群)とS_6(1H98系統群)実験系統群のそれぞれ15系統について、ゲノム全体からほぼ等間隔で選ばれた53プローブを用いてRFLP分析を行い、ヘテロ接合性の程度を比較しようとしたところ、少なくとも12のRFLP座位において、S_2では見られないバンドがS_6で検出された。さらに、同じS_2に由来するS_4(2H21系統群)とS_6(2H22系統群)実験系統群を加えたところ、先の1H98系統群で見られたバンドが検出された。これらの結果より、S_2からS_3世代に至る過程で他家授粉が起こったと考えられ、S_6実験系統群と考えていたものはS_3世代植物に相当することが明らかとなった。 北海道農業研究センターでは、S_5改めS_2実験系統のコルヒチン倍加系統と普通4倍体品種の雑種系統について、イモの皮色・肉色および収量を品種間雑種と比較した。その結果、平均収量は品種間雑種と同等であったが、個体間のばらつきもほぼ同等であり、S_2段階ではヘテロ接合性の減少程度が表現型に反映されていないことが明らかとなった。
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