2001 Fiscal Year Annual Research Report
内湾養殖場における底層貧酸素水の湧昇予知システムの開発
Project/Area Number |
13556030
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
松山 優治 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00092594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 高志 日油技研工業株式会社, 開発部長
北出 裕次郎 東京水産大学, 水産学部, 助手 (50281001)
石丸 隆 東京水産大学, 水産学部, 教授 (90114371)
杉山 正憲 内浦漁業協同組合, 係長
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Keywords | 湧昇 / 低層貧酸素水 / 酸欠 / 水質計 / モニタリング / 予知システム / E-mail / 警報システム |
Research Abstract |
本研究では、内湾養殖場における魚類の大量斃死を最小限に抑えるための予報システムを開発し、広く漁業関係者に使用されるよう簡便な方法を確立することを目的としている。養殖網で移動を抑えられた魚類は、湧昇した貧酸素水に直接触れることにより、酸欠状態におかれ、しばしば大量斃死を招くが、投餌を控えれば、相当数の斃死を避けられる。水質計により養殖場の環境をリアルタイムでモニターし、データを取得すると共に、緊急時には警報で告知する、携帯電話の機能を有効に活用した簡便なシステムを考案した。 平成13年度は、テスト機器を開発し、駿河湾奥部の内浦湾の養殖施設に設置した。10m深のデータを10分ごとに計測し、E-mailを通して報告されている。測定項目は、日付、時刻、pH、伝導率、濁度、酸素濃度、水温、水深、塩分濃度、ORP、内部圧力、内部温度、太陽電池容量、などである。通信は順調であるが、問題点として、センサーへの生物付着がある。特に、溶存酸素量、濁度、塩分などに影響が現われている。解決策を2つに分けて考えていくこととした。(1)現実の湧昇予測が緊急課題であり、これに対応する。このため、近辺で、別の方法で観測している水温と酸素量の相関の高いことを活用し、多層水温センサーを開発(サーミスターチェーン)することにある。平成14年夏には使用できる見込みである。(2)生物付着の問題を解決するため、現場での付着状況実験を繰り返し行い、解決を図る。かなり、長期的な取り組みになるだろう。 送信システムの開発および成功と温度と酸素量の相関の高さを活用することで、第一段階は通過したと判断している。生物付着の問題は沿岸における計測にとって、解決すべき極めて重要な問題だが、環境にやさしい方法を考えると必ずしもやさしい問題ではない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suzuki, T., M.Matsuyama: "Numerical Experiments on Wind-induced Circulation in Stratified Tokyo Bay, Japan"Estuary, Coastal and Shelf Science, 17-25. 50,1. 17-25 (2000)
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[Publications] Kitade, Y., M.Matsuyama: "Coastal-Trapped Waves with Several-Day Period Caused by Wind along the Southeast Coast of Honshu, Japan"Journal of Oceanography. 56. 727-744 (2000)
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[Publications] Radjawane, I. M.Matsuyama, Y.Kitade, T.Suzuki: "Numerical modeling of density-driven current in Tokyo Bay"La mer. 39. 63-75 (2001)
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[Publications] 北出裕二郎, 松山優治, 川村有二, 土谷猛: "内部潮汐波に依って起こされる内浦湾奥部の内部静振"沿岸海洋研究. 39. 51-56 (2001)
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[Publications] 北出裕二郎, 高橋静, 吉田次郎, 松山優治: "小さな矩形湾における内部性静振エネルギー減衰過程"海の研究. 11(2). 259-271 (2002)
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[Publications] 家島彦一, 松山優治ほか: "海のアジア 第2巻 モンスーン文化圏"岩波書店. 301 (2000)