2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13556033
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
左子 芳彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60153970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 裕一 中央水産研究所, 企画連絡室, 課長
内田 有恆 京都大学, 農学研究科, 教授 (50027190)
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Keywords | 麻痺性貝毒 / 渦鞭毛藻 / アレキサンドリウム / 分子系統分類 / rRNA遺伝子 / 二枚貝の毒化 / 有毒 / 分子分類 |
Research Abstract |
本研究は、近年二枚貝の増養殖業や食品衛生上世界中で深刻な問題となっている有毒微細藻、とりわけ麻痺性貝毒の原因藻であり形態分類の極めて困難な渦鞭毛藻Alexandrium属の分子同定と、原因藻の現在の生理状態を判断するための遺伝子診断法の開発を目的としている。 本年度の研究実績は以下の通りである。 (1)麻痺性貝毒の原因渦鞭毛藻Alexandrium tamarense,A.catenellaや近年瀬戸内海を中心に発生し始めたA.tamiyavanichiiを、既に開発したFISH法では検出困難な低い細胞密度で定量的に分子同定可能なReal time PCR法を開発した。種特異的プライマー、プローブの作成とDNA抽出条件の検討を詳細に行って、各々の培養細胞を高感度で定量可能な検出法を確立した。 (2)培養で形成させたA.tamarenseやA.catenellaのシスト(休眠接合子)を、上記のReal time PCR法を用いて、数細胞から定量的に分子同定可能な方法を確立して原因藻の発生源であるシストの定量化の基盤を確立した。 (3)上記Real time PCR法により、現場で発生している有毒渦鞭毛藻Alexandrium属を含む天然水を用いて本法を改良し、種特異的な高感度定量が可能であることを確認した。 (4)雌雄異株接合を示すA.tamarenseやA.catenellaを交配させて、シスト形成期や、休眠後のシスト発芽時に特異的に発現される遺伝子を、Differential Display法やSubtractive Hybridization法を用いて検索する方法を確立した。その結果接合時および発芽時に特異的に発現する複数の遺伝子を見いだした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Sako et al.: "Fluorescence in situ hybridization using rRNA-targeted probes for simple and rapid identification of the toxic dinoflagellates"Journal of Phycology. 40(in press). (2004)
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[Publications] C.-J.Kim et al.: "PSP toxin analysis of the genus Alexandrium (Dinophyceae) occurring in Korean coastal waters"Fisheries Science. 70(in press). (2004)
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[Publications] Y.Sako, T.Okaichi ed.: "Red Tides"Terra Scientific Pub. Com. and Kluwer Academic Pub.. 439 (2003)